社長ブログケヤキの木の下で
2015年10月23日
住宅性能とドラッカー
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
明日はMOKスクールで大阪ですが
名栗で有名な橘商店さん主催の
第二回「建築人 味の格付けチェック」に美濃を代表して参加の予定
東は東京から西は広島までの建築士、大工さん、先生、社長が音痴な舌を競います。
前回は近江の夏見工務店の夏見社長が全問正解という離れ業で1位
今回はどうなることやら、
乞う、ご期待! であります。
さて、
良いものはよい、
そして、正しいことをなさねばならぬ
というのが住宅の性能に関する紙太材木店のスタンス
3年ほど前まで建てていた家の性能がQ値で言えば1.7から1.9
次世代基準の東北3県並みの性能で
美濃地方はQ値2.7で次世代クリアの時代
この性能向上に関してはお客様の理解がなければできないわけで
何よりも予算がなければいくら分かっていても無理な話となってしまいます。
ということで
いかにそこの部分のコストをかけずに、性能を担保するかに知恵を絞るわけです。
もちろん、高性能な熱交換換気装置を使えば
より楽にできるところもありますが
それでは予算もUPするわけで賛同は得られません。
そもそも当時、住宅の性能なんかに興味のあるお客様は実は希
鐘や太鼓を叩いて探してみても先ず見つからない時代で
予算はデザインやインテリア、素材優先で性能は後回し
というよりそんなことは意識されていない時代でした。
そんな時代に性能に傾注した工務店は次々に倒れていったのが実情。
滅多にいないお客様を追っかけても
資本力、営業力のない工務店の経営が成り立つはずがありません。
こうあるべきだと思って突き進んだとしても
顧客の賛同や支持がなければやってはいけません。
ところがここ2年ほどで
ずいぶん風向きが変わってきていて
一条工務店やスエーデンハウスの影響がかなり大きく出ている印象があります。
一条といえば高性能なi-smartで名を馳せていて
Q値は1.0を切る高性能住宅(ハニカムシェード除く)を販売しています。
国の方針やらHMや家電量販店のCM
太陽光パネルの売電収入やら消費税のUP等々の影響もありますが
何よりお客様の情報収集能力が格段に向上したことから
賢い消費者が次々に生まれているといった雰囲気があります。
紙太材木店でも
最近のQ値は北海道仕様が当たり前で
実際の打ち合わせではそれよりもかなり良くなっています。
こんなことは10年前、いえ5年前でも想像の範囲外。
時代の先を行き過ぎていた経営者が聞いたら
草葉の陰で涙しているはずです。
ということで
美濃地方にお住まいの方の住宅性能に対する意識は少しづつですが向上していますが
絶対数ではまだまだ全く足りません。
ご家族の健康のため
暮らしやすさのため
日本のエネルギー消費削減のためなど
普段はいろんな理由付けをして
理屈っぽく話してますが
何よりも大切なのは家族の笑顔
そのためには
実際に家を建てる方の賛同が必要ですし
同時に啓蒙も必要となりますから
まだまだ当分はこのブログの存在価値もあるのかなと勝手に思っています(^_^)
ということで、
知りながら害をなすなと言ったのはドラッカー、
ES版の「マネジメント」を以下に引用します。
「プロフェッシャルの責任は、既に2500年前、ギリシャの名医ヒポクラテスの誓いの中に、
はっきり表現されている。
「知りながら害をなすな」である。
プロたる者は、医者、弁護士、マネージャの何れであろうと、顧客に対して、
必ず良い結果をもたらすと約束することはできない。
最善を尽くすことしか出来ない。
しかし、知りながら害をなすことはしないとの約束はしなければならない。
顧客となるものが、プロたる者が知りながら害をなすことは無いと信じられなければならない。
これを信じられなければ、何も信じられない。
それでいながらプロたる者は、自立性を持たなければならない。
顧客によって支配、監督、指揮されてはならない。
また、自らの知識と判断が、自らの決定となって表れるという意味においては、私的な存在でなければならない。
しかし同時に自らの私的な利害によってではなく、
公的な利害によって動くことこそ、彼に与えられる自立性の基礎であり根拠である。
言い換えるならばプロたる者は、
自立した存在として政治やイデオロギーの支配に従わないという意味において、私的である。
しかしその言動が、依頼人の利害によって制限されているという意味において公的である。
そしてプロの倫理の基本、すなわち公的責任の倫理の基本が、「知りながら害をなすな」である」
(ES版『マネジメント』p113)
良いものはよい、
そして、正しいことをなさねばなりません。
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