社長ブログケヤキの木の下で
2025年3月5日
1981年以降の建物にも
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
寒の戻りと言うには少し早い気がしますが、
先週の暖かさからすればまさに寒の戻りですね。
今日も朝から雨。現場の外工事ができません。
- さて、ようやく溜まっていた
耐震診断の報告書が出来ました。
地震が起きた年には耐震診断の申し込みが増えますが、
翌年以降は喉元過ぎれば熱さを忘れるで
需要は激減します。
現在の耐震診断の対象は
昭和56年以前に建てられた住宅です。
何故なら、昭和56年に新しい耐震基準ができたから
それ以前の住宅は
旧耐震基準と言われる基準で建てられています。
それは
「数十年に一度の地震(震度5程度)で
ほとんど損傷を受けない」という基準です。
- しかし、震度6以上の地震は
- ここ10年で20回以上発生してます。
(過去の地震情報)
と言うことで、日本で平均して - 年に2回も震度6以上の地震が発生するなら
「数十年に一度の震度5でほとんど損傷を受けない」
という基準ではNGだよねということ。
旧耐震基準で建てられた家には、
補助金も出して補強しようということですが
旧耐震基準の家を補強しようとすると
それなりの費用が掛かります。
特に田舎では対象となる住宅の多くが
土壁の家、土葺きの瓦屋根。
必要な壁の量が基準の1割程度と言うケースも
稀ではありません。
そうなると屋根を土葺きから
桟葺きやガルバに替えて軽くしても、
1階の既存の壁のほとんどを - 補強することになります。
もちろん、改修費用も相当程度必要となり、
上記のようなケースでは
多くの方が補助金をいただけたとしても、
改修に踏み切るケースは稀です。
- 国に考えていただきたいのは
昭和56年以前の旧耐震基準だけでなく、
2000年までの新耐震基準の家も補助対象とすること
震度7の熊本地震や能登半島の地震では、
新耐震基準の家でも無被害なのは2割程度。
残りの8割は
何らかの被害を受けていますし、
18%は倒壊か大破です。
現況の補助対象である昭和56年以前の建物では
費用が掛かり過ぎて多くの方が改修を諦めますし、
56年以降の住宅は
震度7では8割が何らかの被害を受ける
改修費用は少なく済むのに補助の対象外。
同時に、対象外だから
多分大丈夫と考えている人が多い。
家余りの日本では昭和56年以前の建物が
次の世代に引き継がれる可能性は
それほど高くありませんが、
新築住宅が高騰していく中
昭和56年以降の建物であれば、
耐震や断熱の改修をすれば - それなりの性能が確保され
次の世代に引き継がれる可能性があります。
- 若い世代や将来の日本の為にも
1981年以降の建物にも
耐震改修の補助が必要と考えます。
- .
Category
- 家づくりのたいせつな話(522)
- 雨漏れ(25)
- 高性能 省エネ(430)
- 温熱環境(211)
- 雑記(253)
- 新住協(新木造住宅技術研究協議会)(36)
- 室内環境(37)
- MOKスクール(28)
- 紙太材木店の考え(96)
- 建築巡礼(36)
- レイモンド(3)
- 耐震のこと(32)
- 手仕事 道具 機器(93)
- 断熱のこと(92)
- イメージ 仕上がり(74)
- 暮らし(178)
- 古い民家の再生(80)
- 経年変化(7)
- イベント情報(28)
- 換気(25)
- 結露(29)
- インテリア(20)
- メンテナンス(7)
- 紙太材木店の仕事(2)
- 素材(67)
- サッシの性能(51)
- 料理(141)
- 室内環境と健康(15)
- 庭造り(4)
- リフォーム(55)
- 現場レポート(184)
- 性能とデザインのバランス(17)
- 耐久性(3)
- 住宅医 ぎふ木造塾(22)
- 造作家具(25)
- 本の紹介(40)
- ZEH(3)
- 百年の家プロジェクト(45)
- 薪ストーブ(48)