社長ブログケヤキの木の下で
2025年5月14日
断熱等級6以上の住宅設計ガイド
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
先日、国交省から断熱性能等級6以上の
断熱性を有する住宅を対象にした
住宅設計ガイドが発表 されました。
最近は大手のHMだけでなく、
地場の工務店や設計事務所も
断熱性能等級6の住宅を出しています。
- 主な基準はUa値とηAC値
Ua値は熱還流率
ηAC値は夏の日射の入り易さ
どちらも数値が小さいほど、住み易くなります。
これだと数値を良くして
断熱性能等級6をクリアしようとすると、
出来るだけ窓は小さく
窓の数は少なく
そんな方向の設計に行きがちになります。
最近は平屋ブームですが、
南面の窓が小さいだけでなく
東西の窓も採光基準ギリギリかという家も、
至る所で目にします。
壁に比べれば窓の断熱性は悪くなりますから、
Ua値を良くしようと思ったら
窓を小さく、数は少なくがお約束。
窓が少なく、小さくなれば
夏の日射も入りませんから
ηAC値も良くなるという
ある意味、平屋、窓無しは等級6クリアの
一石二鳥住宅とも言えます。
それを懸念したかどうか分かりませんが、
今回国交省が出してきた設計ガイドは
「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」
「断熱性能」に優れたではなく
省エネ性能に優れたとあります。
断熱性能等級6以上の住宅を
対象にした設計ガイドで、
一般の方にも分かりやすくまとめてあります。
- 高断熱住宅の計画・設計上の視点として
3つを上げています。
視点1 季節・方位・時間に応じて日射を調整できる設計
視点2 家中を快適にするための適切な暖冷房設備・換気設備の設置
視点3 レジリエンス性の向上
簡単に言うと
平屋窓無し、一石二鳥住宅は視点1が抜けているんですね。
型式認定を取得した住宅で南面の窓を大きくすれば
型式外になりますから、
設計や申請は
オーダーの注文住宅と同じで
長期優良の申請や
性能評価の申請も
全てすることになります。
金額は窓が大きくなっただけで、
びっくりするほど跳ね上がることになります。
もちろん、都市部で視点1が
そもそも望めないケースもありますが、
そのような条件でなければ
設計者は視点1を考慮した設計が求められます。
- これから新築をお考えの方
特に断熱性能等級6以上の家をお考えの方のは、
とても参考になる設計ガイドです。 - 是非、ご一読ください。
- .
Category
- 家づくりのたいせつな話(527)
- 雨漏れ(25)
- 高性能 省エネ(436)
- 温熱環境(212)
- 雑記(254)
- 新住協(新木造住宅技術研究協議会)(36)
- 室内環境(37)
- MOKスクール(28)
- 紙太材木店の考え(97)
- 建築巡礼(36)
- レイモンド(3)
- 耐震のこと(32)
- 手仕事 道具 機器(93)
- 断熱のこと(92)
- イメージ 仕上がり(74)
- 暮らし(182)
- 古い民家の再生(80)
- 経年変化(7)
- イベント情報(28)
- 換気(25)
- 結露(29)
- インテリア(20)
- メンテナンス(7)
- 紙太材木店の仕事(2)
- 素材(67)
- サッシの性能(51)
- 料理(141)
- 室内環境と健康(15)
- 庭造り(4)
- リフォーム(55)
- 現場レポート(184)
- 性能とデザインのバランス(17)
- 耐久性(3)
- 住宅医 ぎふ木造塾(22)
- 造作家具(25)
- 本の紹介(40)
- ZEH(3)
- 百年の家プロジェクト(45)
- 薪ストーブ(48)