社長ブログケヤキの木の下で
2025年6月4日
LCAと住宅評価
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
今週一杯、晴れの模様。
屋外の工事が進んで助かります。 - 紙太材木店では 建設住宅性能評価 を取得していますから、
評価機関に細かな写真提出と現場検査があります。
現場検査は、事前に日時を連絡しなければなりません。
一つの工程が済んで検査ですから
次の工程には検査がOKでなければ進めません。
なので、雨が降って工事が進まないと
検査もそれに合わせて遅れていくことになります。
現場管理者にとって、晴れはほんとにありがたいです。
- 先日の日経新聞に
「建築物のCO2、建設から解体まで算出要請 - 国交省28年度に」
どういうことかと言うと、
建物を建設する時から解体して処分するまでに
排出する 二酸化炭素(CO2)の量 を計算して出しなさい
LCA(ライフサイクルアセスメント)と言います。
これを建築主に要請するもので、
2028年度に法制化するものです。
当面は、商業ビルやオフィスなど
住宅ではない建物を対象にするようですが、
記事によると既にEUでは一定規模以上の建物で
2028年から義務化が予定されている。
オランダやフランスでは、
既に住宅でもCO2の排出量の上限を
規制する措置を導入しているとあります。
- 日本の住宅でも同様な LCCM住宅 が既にありますが、
一般の方にはZEHやGX志向型住宅との違いが
今一つ分からない住宅では無いでしょうか。
ZEHやGX志向型がエネルギー消費だけに
重点が置かれているのに対し、
LCCM住宅はそれにプラスして
住宅の生涯を通しての
環境負荷も考慮した住宅を言います。
例えば住宅建設にはコンクリートやモルタルと言った
材料が使用されますが、
それらを作る時のCO2の排出量まで計算に入れます。
住宅素材は様々で
鉄筋
コンクリート
ビニールクロス
合成樹脂
合板
etc
工業製品は全て、その製造過程でCO2を排出します。
また、それらを廃棄する時にも、
CO2を排出します。
つまり、エネルギー消費だけでなく、
環境に負荷を与えると考えられるものは
規制していこうという流れです。
- 日本では断熱材と言えば
グラスウールや吹付の断熱材が主流ですが、
ドイツなどではウッドファイバー(木質繊維断熱材) - と言って木材から作られる断熱材が大きな市場を
- 持っています。
断熱性能はGWと同等程度ですが、価格は高め・・・
そんなこともあって日本国内ではあまり使われませんが、
ドイツのように環境に対する意識の変化や
環境負荷の少ない住宅に対する評価が高まれば、
住宅に使われる素材も吟味されていくようになるでしょう。
従来あまり顧みられることのなかったLCCM住宅ですが
今回、国交省が本気で
LCA(ライフサイクルアセスメント)に
乗り出してきたことは、
今後の住宅のあり方に大きな影響を与えるでしょう。
断熱材の評価もドイツのように、
ただその性能数値だけでなく
環境負荷も加味した評価に変わる可能性があります。
いつになるかは分かりませんが、
そんなに遠くではないでしょう。
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