社長ブログケヤキの木の下で
2025年7月21日
どんな素材を使うかでわかる設計者や経営者の思想
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
一日市場の家
建前は二日間に渡りましたが、無事上棟しました。
休息は午前中に2回、午後は3回。
体に疲労が蓄積する前に
休息するのがポイントでしょうか。
休息する回数を多くすることで、
一旦落ちた体力が戻るのも早くなります。
休息の回数が少なければ、
一旦落ちた体力や集中力の回復に時間がかかり、
結局休息の回数を多くした方が
体力の回復が早くなるように感じました。
- 写真は屋根のルーフィングです。
使用しているのは
ウートップハイムシールドルーフ
重ね合わせの部分に粘着テープが両面にあって、
屋根面から水が侵入したり
仕上げのガルバリウムを取り付ける前に
雨が降っても、
毛細管現象で水が上がらなくしてあります。
このルーフィングの
最大の特徴は耐久性と対候性です。
一般には様々なルーフィングが流通してますが、
耐久性や耐候性は千差万別で
はっきり言えば価格もピンキリ。
安価なものは紙にアスファルトが
しみ込ませただけのものもあります。
- 昔は檜皮(ひわだ)や杉皮で
屋根の防水をするのが普通でした。
檜皮は神社仏閣などで、
直接屋根ふき材としてありましたから
一般の方の目にも触れてご存知かと思います。
杉皮は、屋根の板の上に敷いておきます。
その上に泥土を団子状に置き、
瓦を押し付けて固定します。
その杉皮の耐久年数はかなりあって、
外壁や塀などにも使われています。
- 日光の旧イタリア大使館別荘の
外壁は杮板と杉皮が張られています。
紙太材木店の旧事務所も
大正2年に建てられていますが、
大屋根の瓦は一度葺き直しをしただけで
下ふき材の杉皮はそのまま使用しています。
15年ほど前に紙太材木店の
お上風呂の屋根の改修をしてますが
その時の写真がこちら
- こんな具合に、
杉皮が現代で言えば防水紙として張られています。
安価で耐久性や対候性の劣るルーフィングを使うより、
昔ながらの杉皮の方がよほど信頼性があります。
それとアスファルトのルーフィングは
透湿抵抗がとても高いため、
きちんと換気が出来ていなければ
室内側から天井裏に入った
水蒸気の逃げ場が無くなることになります。
杉皮を一枚一枚貼り付けるより
ロール状に巻いてあるルーフィングを転がして
タッカーで取り付ければ施工性は上がりますし、
耐久性が20年程あれば
当面の雨漏れは防ぐことができます。
- 先ほども言いましたがルーフィングは千差万別。
価格を安くしようと思えば、
どれだけでも合わせることができます。
もちろん、外壁の防止紙もしかり
発泡ウレタンも
気密シートも
コーキングも・・・etc
きちんとしたものはそれなりの価格がします。
新築を検討される方は価格も大事ですが、
それ以上に、設計者や工務店の経営者の
設計思想がどのようなものか知っておくことが大切です。
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