社長ブログケヤキの木の下で
2011年5月21日
サンライズ 本末転倒
こんにちは
紙太材木店の田原です。
朝、資料の準備をしてると、
OBのM様が来られイチゴを頂きました。
ご夫婦で家庭菜園で作られてます。
昨年も頂きましたが、
なかなか美味しいイチゴです、
ご馳走様でした。
さて、今朝のニュース
菅首相が「サンライズ計画」なるものを発表しました。
簡単にいうと、2030年までに
屋根という屋根すべてに
ソーラーパネルを設置するという政策で、
サミットで発表するようです。
人の住む住宅は
気密、換気、断熱、冷暖房システムといった
基本性能を充実させることで
いままでより遥かに過ごし易く
健康で省エネな暮らしが出来るようになります。
つまり住宅本体の質の向上をさせることで
社会資産として次の世代に受け継がれ
より多くの人がローンを組む必要もなく
前の世代の建てた家に住むことが出来ます。
暮らし継がれていく家が
そこではじめて完成します。
ところが
今まで建てられてきた住宅は
断熱材にしてもサッシにしても耐震性にしても
あまりにお粗末で
世代が変るごとに家を建てるという
全くの無駄をしてきました。
ここ30年以上前に両親が建てた家で
引き続きその家に住む人の割合は
何パーセントでしょう。
両親でなくても中古の住宅でもいいですが
その割合はとても少ないはずです。
大部分の方は30代になれば
新しい家を建てるのが当たり前のように思ってますが
それは、今までの住宅が断熱にしてもなんにしても
お粗末だと感じているからに他なりません。
それでは
太陽光パネルが設置されてたら
そのまま住み続けるでしょうか?
住宅の基本性能である
気密、換気、断熱、冷暖房システムも満足に出来ていない住宅
お風呂でヒートショックで亡くなる人は先進国中で最高
ドイツの18倍、韓国の4倍で
交通事故の死者より多く
トイレ、脱衣室は寒くて凍えそう
部屋から出た廊下や玄関も寒くて
スリッパを履かなければ足が冷たくてしょうがない
リビングにいても炬燵に入ってエアコンをかける
それでも寒くてファンヒーター
そんな家に
太陽光パネルがあるからと言って
次の世代の子供達は住むはずがありません。
EUでは暖房や給湯、照明など
家全体で消費するエネルギー量が規定されるようになりましたし、
10年後には暖房用エネルギーをゼロにすることを
目標に掲げています。
それは住宅の基本性能である
気密、換気、断熱、冷暖房システムを
充実させる以外できません。
今日本で一番厳しいと言われる
次世代省エネ基準でさえ
EUのレベルで見ると
最低の仕様の住宅です。
形ばかりのQ値
お粗末な気密性
換気不十分でハウスダストが漂う家
ローコストで基準法ぎりぎりの耐震性
そんな家ではなく
次の世代が喜んで
暮らし継いでくれる家
親父達がいい家を作ってくれたから
ローンを組まなくてもすむよ
そう言われる家でなければならないはずです。
太陽光パネル
全棟設置などという派手な花火でなく
地味だけれど地に足をつけた
住宅の基本性能の向上が先です。
気密、換気、断熱、冷暖房システム
いま日本で建てられてる住宅の1割ほどしか
満足にそろっていないのですから。
住宅本体の建物の性能を何とかして引き上げ
せめて欧米レベルにまでしなければ
いつまで経っても
フランス人にうさぎ小屋、
発展途上国の家と言われてしまいます。
そこに太陽光パネルを設置しても本末転倒です。
日本の住宅は
太陽光パネルの前にやらなければならないことが
いっぱいあります。
それでは
皆さん、また明日。
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