社長ブログケヤキの木の下で
2011年9月20日
荒壁
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
すっかり雨モードになってしまいました。
少し涼しくなるのは嬉しいですが
現場の外仕事が進みません。
さて、昨日から解体工事の着工
八百津町のK様邸です。
いつもの山田興業さんです。
ここでは台所と食堂の解体工事中
90cmほど台所を外に出して増築します
今まで壁に向っていたキッチンを対面式にして
一回り広いダイニングキッチンになります。
こちらでは
和室の床を取り外しています
押入をクロゼットにし
広縁も含めて寝室の予定です。
押入を解体すると
土壁はこのようになっています。
正面が外壁に面した壁
右手が広縁の物入れとの間仕切壁
押入の中ですから
どちらの壁も表面に4ミリの合板が貼ってありました。
他のどの壁も共通で
外壁に面した壁は黒くなり
内部の間仕切壁は荒壁を塗った当時のままの色をしています。
なぜでしょうね?
冬季、
外壁に面した壁は
外気と同じ程度まで冷えます。
この八百津町辺りではマイナス5~6度
壁の厚みは4センチ程度
荒壁の断熱性はグラスウールの10分の1
荒壁にはほとんど断熱性はありませんから
外気に面している荒壁の内側の温度
押入の4ミリ合板で遮断されてますから
0度ぐらいじゃないでしょうか?
そこに人が住む事で発生する
水蒸気がやってきます。
体から、お風呂から、調理から、ストーブから、加湿器から・・・・
とても小さな水蒸気
分子はH2Oですから水素が二つと酸素一つ
1000万分の3ミリの大きさですから
建材などは素通りしていきます。
もちろんビニールクロスも素通りです
(ビニールクロスは水蒸気を遮断しませんよ、勘違いしないで下さいね)
この水蒸気は容易に冷たい外壁に到達
めでたく結露する事になります。
荒壁ですから結露はすぐに壁に吸収
でも、湿る事になりますから
そこにはカビが発生
でも外壁に面していない内部の間仕切壁は
外壁ほど冷えていませんから
かろうじて結露は発生せず
昔のまま、塗った当時のままの土の色です。
現代の住宅は一昔前に比べ
生活スタイルが変ってきていますから
結露やカビ、あるいはダニがとても発生し易くなっています。
自然素材を使えば大丈夫とか
ペアガラスだから心配ないとか
この断熱材を使えば安心と言う事はありません。
現代の住宅で求められるのは
換気、気密、断熱、冷暖房システム
この4つの基本性能が満たされているかどうかです。
そんなの当たり前と思って見える方が大勢いますが
日本で建てられる家の90%以上は
残念ながらこの基本性能を満たしていません。
デザインやインテリアが素敵な家も魅力的ですが
その前にこの基本性能が満たされていなければ
そこに住む人の健康や安心といったものは
担保されません。
家を建てる前に
リフォームする前にちょっと考えましょう。
それでは
皆さん、また明日。
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