社長ブログケヤキの木の下で
2018年7月11日
35年前の水害時の床下の汚泥撤去
10年目の神戸町の家
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝も快晴ですが、午後は雷の予報
未だに飛騨川は濁った濁流で
まだ数日は続きそうです。
私の住む川辺町では
50年ほど前の8.17と呼ばれる水害がありました。
我が家では玄関土間に水が入り込み
下駄が浮かんでいたのが記憶に残るぐらいでしたが
考えてみると床下にも水は入っていたわけで
その後の自宅の床下の消毒をしたのかどうかなどは記憶にありません。
当時の田舎ですから水洗トイレではなく汲み取り式が100%
町中では至る所に石灰が撒かれていたようにおもいます。
その後、私の家では水害はありませんが
35年ほど前お隣の美濃加茂市で9.28豪雨災害(1983年)というのがありました。
この時は紙太材木店で建てさせていただいた家も浸水し
床上1mほどまで水に浸かりました。
水に浸かった壁のプラスターボードは剥がして処分
断熱材も全て引っ張り出して入れなおしましたが
まだ水がしたたり落ちてくるほどでしたから
撤去してしばらくはそのまま骨組み状態にして乾かしました。
一番難儀したのは床下の汚泥
ツーバイフォーの家でしたので
床合板は根太ボンド併用で釘打ちしてありますから剥がせません・・・
ところどころに点検口を開けますが
それでも構造上その穴はできるだけ小さく
できるだけ少なくということになりますから
8畳、10畳の部屋でも1か所のみ
その穴から床下に入り込み
バケツに汚泥を入れて運びますが
床下空間の高さは40cmしかありませんから
全て床下で腹ばいになっての作業になります。
浴室、トイレ、脱衣室など基礎で囲まれ
配管入り組んだところではそこまで床下に潜り込んで行くしかありません。
汚泥は濡れてるときは塊で袋やバケツに入れて出せますが
それでも6割ほど
残りを出すときにはかなり乾いてきますから
箒と塵取りで掃き出しましたが
臭いと埃に汗も混じってしかも床下、
それを目の前ですることになります。
最後は掃除機を使って完了
今でも作業をして頂いた職人さんと話す機会がありますが
出てくる言葉は
あの時は大変だった。
さて、現在の住宅の1階の床構造は
剛床と言って24mmの合板がフローリングの下に貼り付けてあります。
つまり構造上はツーバイフォーと同じですから
床下の汚泥の撤去は同じような方法になりますが
当時は基礎に換気口(15cmx40cm程)があって
そこから大量に土砂が入り込みましたが
現在の床下の換気部材は通気パッキンがほとんど
2cm程の高さで基礎の全周に取り付けてありますが
空気は抜けていきますが小動物は入らない工夫がしてあって
水に浸かっている時間にも拠りますが
汚泥の入る割合は少ないと思われます。
それでも一旦床下に浸水すれば
清掃、消毒は必須ですからどのようにそれをするか
考える必要があります。
床上まで浸水していれば
フローリングと合板に開口部を作って床下の汚泥を撤去
30年ほど前と同じですが
今では上の作業はムリでしょう
となるとできるだけ多く床に穴を開け
床下の撤去作業の効率を上げ
修復するときは
既存の床の上に再度床合板を張って
フローリングを貼るということになります。
水害にあった時は
役場や市役所では
罹災証明を出してくれますから
先ず、行政に相談ということになります。
火災保険は火災だけでなく様々な災害にも対応してます。
もちろん、水災もその一つで
保健の約款を今一度確認してみてください。
水害にあった時の対応はネットでいろいろ出ていますが
建築時にハザードマップを確認せずに建ててしまった人は
行政のHPなどを見ると確認できます。
火災保険料を安くするために水災を外してしまった人は
再考する必要があるかもしれません。
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