社長ブログケヤキの木の下で
2023年11月20日
ギリギリを
- おはようございます、
紙太材木店の田原です。
晴れの予報ですが
今は雨の降ってる美濃地方です。
西の空は既に青空が見えます。
- 先日のジャパンホームアンドビルディングショー2023や
翌日の東大での前先生や井上先生の講義を受けると、
日本の住まいがどんな方向へ行こうとしているかが
よくわかります。
問題はそのスピードで
日本の行政や立法の変化を嫌う体質は
今に始まった事ではありませんし、
逐次、最低限の変化しか許容しない体質が
失われた40年の原因の一つと言えます。
2020年に義務化されるはずだった
省エネ基準(断熱基準)は
かろうじて2025年に始まりますが、
この5年のブランクの間に建てられた注文住宅は
100万戸以上。
性能的には、
今後引き上げられていく基準から見て
既存不適格になるレベルです。
しかも義務化される基準は
20年以上前に制定された
いわゆる次世代省エネ基準という
骨董のような基準。
それでも義務化したのは一歩前進ですが
あまりに遅く、また低いレベル。
- そこに、コロナ後の価格の高騰が
追い打ちをかけますから
いかに安くするか?
HMも含め建築業者の見識が問われますが
自社の生き残りのためには
何でもあり…
既存不適格になると分かっていても
今現在は基準を満たしているとなれば、
先日の大麻入りグミではありませんが
大手を振って販売されることになります。
何も知らない新築検検討者の方が
この価格高騰の時代、
お値打ちに家が建てられると
飛びつく可能性は大いにあります。
- オイルショックから50年
確実に効果が実証されている技術は3つ
1.熱や空気の勝手な出入りを減らす断熱と気密
2.少ない電気で暖房や冷房、給湯する高効率な設備
3.太陽のエネルギーを利用するパネルや温水器
2や3は後からどうでもなりますし
必ず交換が発生しますが、
1については一度つけてしまえば
交換は困難か、あるいは多額の費用が発生します。
25年の義務化レベル程度では
全く評価されませんから、
断熱や気密についての勉強は
新築検討者には必須の項目です。
- 安いとか、お値打ちには必ず理由があります。
大量仕入れや中国、東南アジアからなんていうのは
何十年も前の話しで、
円安の今の日本では通用しません。
これからの数年、
住まいの価格や性能は
冷静な目で見る必要があります。
既存不適格になると分かっていても
ギリギリの線を狙ってくる
建築業者やHMもいるはずですから。
- .
Category
- 家づくりのたいせつな話(513)
- 雨漏れ(25)
- 高性能 省エネ(413)
- 温熱環境(207)
- 雑記(252)
- 新住協(新木造住宅技術研究協議会)(36)
- 室内環境(36)
- MOKスクール(28)
- 紙太材木店の考え(91)
- 建築巡礼(36)
- レイモンド(3)
- 耐震のこと(32)
- 手仕事 道具 機器(93)
- 断熱のこと(88)
- イメージ 仕上がり(72)
- 暮らし(176)
- 古い民家の再生(80)
- 経年変化(7)
- イベント情報(27)
- 換気(25)
- 結露(29)
- インテリア(20)
- メンテナンス(6)
- 紙太材木店の仕事(2)
- 素材(66)
- サッシの性能(51)
- 料理(141)
- 室内環境と健康(15)
- 庭造り(2)
- リフォーム(55)
- 現場レポート(184)
- 性能とデザインのバランス(17)
- 耐久性(3)
- 住宅医 ぎふ木造塾(22)
- 造作家具(25)
- 本の紹介(40)
- ZEH(3)
- 百年の家プロジェクト(45)
- 薪ストーブ(48)