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社長ブログケヤキの木の下で

2011年10月6日

住宅の省エネと方向性

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝、7時にはどんよりした空で
雨が降っていましたが
8時を過ぎた今は快晴です。
気持ちがいいですね、
もう1時間早ければ言う事無しでしたね(笑)
暑さ寒さも彼岸までと言いますが
週末はまた暑くなるようです。
昨日は事務所で仕事をしていると
指先が冷たくなりました。
さて、
震災以来、住宅で消費するエネルギーに関して
太陽光パネルが大きく取り上げられています。
それ以前から
エコキュートやエネファーム
IH機器、高性能エアコンといった
高い効率をうたった設備の推進が叫ばれてきましたが、
震災がそれに拍車をかけたような形になっています。
大手の住宅設備メーカーは
利益を追求する会社として
この機会にこぞって新製品を出してきています。
まるで自動車がモデルチェンジををするように
一つの製品を出してもライバルとの差別化から
また売上の低減を防ぐことからも新製品を出してくるわけです。
こんなに便利になりました、
消費電力がこんなにさがります、
パネルを設置するとこんなにお得etc・・・
ただ、よく考えていただきたいのは
どんな設備にも寿命があると言う事です。
10年、15年あるいはその前かもしれません、
故障や不具合はメンテナンス部門が対応してくれますが
実際には新製品が次々にでて
壊れる頃には製造中止で
修理代と新製品購入金額が
それほど変わらないということもままあります。
住宅は確かに個人の資産ですが
別の見方をすれば
社会資産と捕らえる事も出来ます。
ヨーロッパでは
個人資産である家を取り壊そうとしても
行政の許可が必要で正当な理由が無ければ
なかなか許可は下りません。
これは住宅を単に個人の資産として捕らえているのではなく
社会資産として捕らえているからに他なりません。
住宅を社会資産
(100年以上住むのが普通と考えれば
建てた人の子孫だけが住むのではなく
いろんな人がその家に住む事になるため)
と言う立脚点に立てば
10年、15年といった設備に頼った家ではなく
住宅本体(躯体)の性能を
いかに担保するか
躯体性能の低い家に高効率の設備機器を取り付ける
今の省エネの方向性には
大きな疑問が残ります。
住宅はいいものを大事に長く、
であるべきものです。
住宅のいいものは
10年15年で交換する高効率の設備がついていることではありません。
基本的な性能は
気密、換気、断熱、冷暖房システムで決まります。
最近それらを見分ける
一つの指標として
住宅の冷暖房負荷という言葉が出てきました。
これはその家で
1年間で使う冷暖房のエネルギーがどれくらいかを
数字で表したものです。
例えばAと言う家は
冷暖房負荷 15kwh/m2・年とすると
これは
床面積35坪=115.5m2の家で
15x115=1725kwhの電気が冷暖房で必要ですと言う事を表しています。
1725kwhx22円/kh=37.950円/年
これが住宅の性能を表す全てではありませんが
一つの指標になります。
〇〇と言う断熱材ですから温かいですよ
外断熱ですから温かいですよ、
〇〇工法だからいいですよ、
といった宣伝文句ではなく
数字で年間どれくらいの冷暖房費かかる家なのか
理解する事が出来ます。
EUではさらに進んでいて
その家に住むと
年間どれくらいのエネルギーが必要かを
表示する制度があります。(全てのエネルギー)
エネルギーの必要度合いにより新築住宅はランク分けされ、
銀行の金利もより高いランクの住宅には
低利で貸し出されます。
日本ではまだまだですが
せめて冷暖房負荷が分かると
家を建てる人にはいい物差しになりますね。
これらの考えの元になっているのは
住宅は社会資産であるという考えのようです。
それでは
皆さん、また明日。

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