社長ブログケヤキの木の下で
2015年12月25日
冬はいかなるところでも住めるか?
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
冬至も過ぎてこれから日が長くなっていきますが
寒さは遅れてやってきますから
これから本格的な冬到来ということでしょうか。
さて、昨日お話していたお客様
20年以上前に建てられた土壁、無断熱の家です。
南向きの家で、正面中央に玄関
左手に和室が二間南北にあります。
今回、その和室二間プラス広縁、床の間、仏間、押入を
ワンルームのダイニングキッチンにするという大胆なリフォーム
天井も取り払い屋根勾配に合わせた広い空間にするというものです。
お客様のお考えは
天井を取って勾配天井にするから
屋根には断熱は必要
掃き出しサッシも二重にする
だから
壁や床の断熱材はいらないんじゃないか
気密も息苦しいから不要
壁は土壁で断熱、床は3cmの厚い杉板だからそれで過ごせるのでは
というもの。
気密イコール息苦しいという感覚は
いろんな方にあるようですが
住宅より遥かに気密性のある自動車には皆さん平気で乗りますし
新幹線は時速200km以上、秒速で言えば70m/sで動いていますが
それでもすきま風は入りません(当たり前ですけど・・)
自動車に乗るといつも息苦しい
まして新幹線に乗るのは耐えられない。
という方がいれば
家の気密性についても考える必要があるかもしれませんが
(それも感覚的なものと思われますが)
ほとんどの場合、気持ちの問題と思われます。
でも、
人は理屈よりも感性により大きな影響を受けますから
気密の説明を理屈でしても
なかなか受け入れてもらえません。
床、壁、天井、サッシから逃げていく熱が何ワットで
隙間は床面積当たり5cm2ありますから
換気と漏気でこれだけ熱が逃げていきます、
冬季、室内を20度にしようとすると
この広さではエアコンが数台必要で
それでも膝から下は気密が取れていませんから
冷気で冷たく感じます・・・・・
でも
嫌なもんはイヤなんですね(^_^;)
ということで
快適で健康性のある住まいを作ろうとする建築家や工務店は
この嫌なもんはイヤと常に戦うことになります。
ルーツは徒然草
吉田兼好の
家の作りやうは、夏をむねとすべし
冬は、いかなる所にも住まる。
暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。
これって
ただ、暑がりだっただけのような気がしますね。
冬は、どんなとこでも住める。
なんて言ってるわけですが
そんな人は現代では鐘や太鼓で探しても無理
(当時は火鉢か囲炉裏ぐらいの暖でしかも隙間だらけの家)
屋内で犬を飼うのと
屋外で飼うのとでは
劇的に寿命が違います。
冬は家の中どこでも暖かくするのが基本です。
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