社長ブログケヤキの木の下で
2016年12月7日
最適な冷暖房計画 見えない空気と熱のデザイン
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝は気温零度の美濃地方
残念ながら氷は張っていませんので、
初氷はお預けのようです。
さて、本日は最後の項目
日本の住宅でできていないこと 5
「最適な冷暖房計画ができていない」
最適なというのは難しいですね。
関東以西での暖房器具はエアコンが主流
さらに寒ければファンヒーターや炬燵が利用されますが
美濃地方でもエアコンだけというのは少なくて
むしろプラスアルファの灯油ファンヒーターが暖房器具の主流の家もあります。
(というよりおそらくそちらが主流)
暖房についての最適な計画となると
器具の設置場所やどれだけの熱量を出す器具か、種類は
熱量当たりのコストはどうなのかなどを検討するわけですから
従来行われてきた
勘や○○畳用などと書かれたポップで検討
というわけにはいかないことがわかりますが
現実にはそもそも冷暖房計画なんてなされていないのが実情・・・
暑い時はエアコンですね。
寒ければファンヒーター、炬燵もいいですよ、
エアコンだけではちょっと足りません。
床暖房がついていればその部屋はOKです。
というのが従来の「冷暖房計画」
暑さ寒さは当たり前
その対処方法については住まい手にお任せするということです。
冷暖房計画の基本は換気も含めて
家からあるいはその部屋から逃げていく時間当たりの熱量がどれだけなのか
それがわからないと計画が立てられないことがお分かりになると思います。
外が0度、室内が22度の時に当てはめると
それを維持するのにどれだけの熱量が必要なのかということになります。
それがわかって、初めて計画のスタートラインに立つわけです。
Ua値という数値
外皮平均熱貫流率といいますが
外気に接する床、壁、天井、サッシ
これらから逃げていく熱量を表す数字がありますが
この数字には換気による熱損失が含まれていません。
2時間に一回、家中の空気を入れ替える時に出ていく熱量が含まれてませんからUa値だけでは室内を22度に維持する熱量はわかりません。
そこで便利なのがQ値
日本ではUa値に替わってしまって
そんなの古いですよ、という方もいますが
温熱環境の専門家の間ではいまだに重宝されている数字
換気による熱損失も考慮されてますから
冷暖房計画を立てる時には役立ちます。
前回までの「できていないこと」をクリアしていれば
美濃地方での冷暖房器具はエアコンでOK
あとはその能力と設置場所です。
見えない空気と熱をデザインするわけで
脳みそに汗をかく必要があります。
西方さんの著書、
「プロとして恥をかかないためのゼロエネルギー住宅のつくり方」p104の中にエアコンでどれだけの暖房能力が必要かを表す計算式があります。
考案したのは松尾さんで松尾式計算式と呼ばれています。
定格能力(W)=1.7x{床面積xQ値(23度-冬の最低外気温)-4.6x床面積}
(部分間欠暖房の場合)
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