社長ブログケヤキの木の下で
2016年12月5日
日本の住宅でできていないこと 4
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨夜からの雨も止み快晴の予報の美濃地方ですが
気温が低くなって霧に覆われています。
お金の使い方は三つ
投資と消費と浪費と中学の時になったような気がしますが
住宅はさてどれかというと
投資なんですが
20年で建て替えられる住宅は消費でしかありませんでしたし、
社会的な見地から言えば浪費だったかもしれません。
昔の家だからしょうがないね、
でもこれからは建てる今の家は違うよ。
と思われるかもしれませんが
今から建てる家が20年後、30年後に必要とされなければ
あるいは必要とされる状態にするのに多額の費用が掛かるとなると
それはやはり消費、あるいは浪費になってしまうことになります。
パネルが載っていれば大丈夫とならないところ
さらに言えばZEHだから大丈夫と必ずしも言えないところに
住宅行政のひずみがあるように思います。
さて、日本の住宅でできていないこと
「夏の日射遮蔽、冬の日射取得」
松尾さんの記事ではポンとこの項目が書いてあるだけで何も解説がありませんから付け足しででの説明です。
最近は窓の外にすだれや吉津などを置いて
日射を防いでいるご家庭をみることがありますが
それらの多くは自己防衛
つまりそこに住んでいる人が自分で工夫して日射を遮蔽しているわけで
設計時に対策が取られているケースではないことを指します。
つまり
断熱を強化すれば必然的に夏の日射遮蔽が必要ですが
設計時にその対策が取られていません。
室内側で遮蔽するブラインドは35から40%程度の削減率
4割削減と聞くとそれならいいかと思ってしまいますが
直射日光のエネルギーは強烈で夏の日射が6割も入ってこれば
断熱性の向上させた室内は相当暑くなります。
カーテンを閉めた西日の当たる子供室を想像するとお分かりになると思います。
後付けの、住まい手任せの対策では設計者の能力が問われます。
併記してある、冬の日射の取得
これは感覚的にはわかっている方も多いと思いますが
夏の日射の遮蔽と表裏の関係になりますから
南面に掃出しサッシを設置してお茶を濁しているのが実情です。
積極的な日射取得を考えるには
熱損失や年間の暖冷房用消費エネルギーが計算できるソフトを使わないと経験と勘が頼りの設計になってしまいます。
冬の日射の取得ができれば
暖房負荷はかなり下がり、自然温度差も大きくなりますから
それがわかると建物の外観デザインも変わることになります。
雑誌などで見る住宅の外観も、それらが考慮してある建物は一目でわかるようになります。
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