社長ブログケヤキの木の下で
2020年6月15日
オーバースペックで当然
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
久しぶりに今日は晴れるとの事、気持ちのいい日になりそうです。
最近のYouTubeや様々な媒体で発信されている同業の情報を見ていて、
あることに気づきました。
私が見たり読んだりしているのは同業の工務店や設計事務所のもので、
社長自身が書いたり、発信しているわけです。
それらを見たり読んだりすると
この社長は住宅を単に商品としてみている、
つまり、住宅と言う商品をたまたま扱っているけど
飲食店でも自動車でも実は何でもよかったんだろうな、
そういうことがわかるようになってきました。
経営がしたい、事業がしたい、社長であるがためにということなんですが、
これらの社長の会社は順調に住宅が売れていたりします。
逆に
何とかより良い住まいを作りたい、
住まい手に提供したい、
という社長が必ずしも器用な訳ではありません…
いいものを作れば売れるはずと思っているのですが、
現実にはそれが住まい手にはなかなか伝わりません。
最近の例では、
住まい手が気密や断熱を意識しはじめたとみると
ウレタン吹付で断熱すれば気密も断熱も一挙に確保できる。
面倒な気密シートの張り方や気密の理屈なんかは覚えんでもエエ。
また、
エアコン一台で冷暖房がトレンドやとみると、
〇空調がフランチャイズやってるからそれ売ったらエエ。
器用に時代に合わせていきます。
これらの社長に住まいに対する情熱、住まい手に対する想いがあれば
もっといいものができるかもしれませんが、
売れること、利益を上げる事が第一ですから余計なことはしません。
最小の資本で最大の利益を上げる事は経営者の責務なのですから
余計なことはオーバースペックということになります。
さて、家と言うものは
日本では従来30年で建て替えられると言われてきました。
実際、世代が変わるたびに壊しては建替えられてきました。
自分が建てた家なので自分たちは終生そこに住むところまでは
想像できますが、
その先となると思考が止まってしまいます。
30代で家を建てれば40年後、50年後と言うことになります。
その時でも誰か彼かが、そこに住みたいと思ってもらえる家かどうか。
自分達で借金をして自分の土地に建てたのだから
煮て食おうが焼いて食おうが自分たちの勝手
あとは野となれ山となっても知らん・・・
でも、これからもそうかと言うと、
多くの人はそのようには思っていないはずです。
住宅は個人資産なのですが
社会資産という側面も持っています。
日本では個人資産の側面だけが意識されていますが、
住まいは社会資産であるという立脚点に立つと
作り手側も住まい手側も、
住まいはどうあるべきかという根本的な問いに直面することになります。
あなたが亡くなったあとも誰かが住む家。
必ず誰かが住むことになる、
住み継がれると考えると、
住宅もまた単なる商品であるという考えには馴染みません。
作る側も建てる側も
自分達が思っている以上に長い期間にわたって存在する住まいと
いうものにどう向き合っていくのか?
コロナの後はそういったことが問われる時代に
なるのではないでしょうか。
住まいは後の時代を考えるなら、オーバースペックに作る必要があります。
そういう家は消費されずに残っていく、
サスティナブルな時代になっていくと思います。
ものごとの本質が問われる時代になりました。
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