社長ブログケヤキの木の下で
2020年9月28日
屋根は冷たい 放射冷却
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
快晴の朝で14.9度、湿度は87%
さすがに半袖では肌寒く感じますが、
日中は30度近くまで上がる予報です。
快晴ですから屋外の駐車してある車のフロントは、
放射冷却で温度が下がり、結露していて表面温度は9.5度
気温14.9度で湿度は87%
この空気は13度で結露しますから、
ごく自然な現象となります。
もちろん皆さんの家の屋根でも同じことが起こっていて、
朝日が昇って直射日光が差すまでは屋根の表面温度は気温よりぐっと下がっています。
今日は放射冷却で空気中の気温と表面温度の差が5度くらいありましたが、
おおよそそのくらいの差があると思っていいでしょう。
もっと気温が下がってくると霜が降りますが、
これは表面にできた結露が凍った状態。
このように放射冷却が顕著に起こると
家の屋根の表面温度は
太平洋側の冬でも天気のいい日が多い地域では、
気温より下がることになります。
気温が0度なら屋根面はマイナス5度。
美濃地方では朝の気温がマイナス4度程度と言うのはよくありますが、
その時の屋根の表面温度はマイナス9度から10度。
山間部で山の陰になって9時頃まで日が差さない地域では…
屋根や天井の断熱材は、家の中と外の熱のやり取りを遅くします。
室内の気温が22度で屋根の表面がマイナス10度だと
その差は32度。
どれだけの厚みの断熱材をいれて
室内から熱が逃げていくのを遅らせるか
また、屋根面のマイナス10度の冷たさを室内に影響させないか
はっきり言えば、断熱材がどれだけの厚さであろうと
室内で発生させる熱次第で室温22℃は保たれます。
断熱材の厚さが薄ければ大量に熱を出さなければなりませんし、
厚ければ少なくて済むことになります。
どんな温熱環境で生活をしたいか
それを維持するためにどれだけの費用を考えるか
従来は設計者やHMにお任せの領域でした。
暖かい家ですよ
涼しい家ですよ
を信じるしかありませんでしたが、
その多くは数値的な根拠のないものでした。
現在ではそれを目で見える数値として確認できます。
家中、22度の室温にしたときのランニングコストは幾らか
あるいは24度にしたらいくらかかるか
そのために断熱材はどんな種類のものをどれだけの厚さで入れなければならないか
そのための費用はどれだけかかるか
その時、気密はどれだけ取れていればいいか
住まいの基本的な性能は、
断熱、気密、換気、冷暖房システム
プラス耐震性
この5つを押さえた上で
デザインやインテリア、間取となります。
残念なことに
間違って逆の順番に建ててもそれなりの家はできますが…
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