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社長ブログケヤキの木の下で

2020年10月30日

あと30年


出典:野村総合研究所資料
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
お隣の家では昨日からペレットストーブが焚かれ始めました。
週末は11月で今年も残すところ60日ほど
コロナが早く退散してくれることを願うばかりです。
菅首相が温室効果ガスの排出を2050年に実質0にすると
所信表明で宣言しました。
2050年と言えば今年30歳で家を建てると丁度60歳。
その頃の家がどんな家になるか?
現在使われているビニルクロスや合板フローリング、
塩ビシートで化粧された建具や枠材は絶滅危惧種。
ここ50年ほどで開発され使用されてきた住宅の建材の多くが、
退場することになりそうです。
住宅を工業製品であるという捉え方をすると
大量生産するためには一定レベルの品質の確保できる部品、
資材を使うことになります。
無垢の柱や床材、窓台や枠材に木をそのまま使うなんてことは、
木の収縮や動きを考えればクレームの対象以外何物でもありません。
大手のHMやローコスト住宅が人工的な建材を使用するのも頷けます。
高度成長期には住宅を大量生産して、
次々と湧き出る住宅需要をこなしていくことが求められました。
日本社会がそのような住宅を必要としていましたが
いまや時代は変わり、
日本だけでなく世界規模での変化を求められる時代になりました。
それは住宅を建てるHMや工務店だけでなく、
住まい手にも意識の変化が求められる時代になったことを意味します。
住宅がただ単なる生産性や効率だけで評価されてきた時代の終わりの始まりです。
工務店やHMの生き残りはお互いの競争原理が働きますから
今まで以上に厳しくなると思われますが、
住まい手や社会全体にとってはいい時代になるとも言えます。
世界中で日本でだけで特異的に発展してきたHM。
資本を投下し大量生産する設備を作り、
大量生産される建材で家を作ってきました。
住宅需要はかつてのように右肩上がりではなく右肩下がり。
着工戸数の予測も10年で20%減り
2040年頃にはほぼ半減しますから、
生き残れる大手のHMも厳しい競争にさらされます。
もちろん、地場の工務店や設計事務所も同様ですから
SDGsの時代、どんな住まいを設計するか、
脳みそに汗をかいて考える必要があります。
フードマイレージと言う言葉がありますが
木材にも​ウッドマイルズ​という言葉があります。
つまり、食材と同用、地産地消の考えで
遠くから持ってこれば輸送にエネルギーが必要ですから
温暖化ガスが発生するわけで、
近隣の算出する資源(木材、食材)を使えば雇用にも温暖化対策にもなるという考えです。
住まいはコスト第一主義の時代から
それは人によって異なりますが、
何かしら別のものも求められる時代になったようです。
家中24時間、
人のおらん部屋やおらん時に暖房したり、
冷房するのはいいんかい!
という突っ込みをされる方もいると思いますが、
これからの時代に求められる家ではそんな心配をする必要はありません。

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