社長ブログケヤキの木の下で
2020年11月4日
たかが庇、されど庇
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
美濃地方
今朝は7.2度とこの秋一番の冷え込みです。
高山の荘川では先日氷点下になってましたから、
一歩一歩冬に近づいています。
昨日、午前中は城屋敷の家のご契約
午後は30年近く前に建てられた家の庇の補修
庇の補修って何?と思われるかもしれませんが
建ててから30年ほどすると、
ちょくちょく補修する必要のある所が出てきます。
一般の方にも参考になるので知っておいて損はありません。
一般的に南面の掃出しサッシの上には付け庇が付きます。
雨が吹き込んできたりするのを防いでくれますし、
吉津をつければ日差しを遮ってくれますから重宝します。
庇のどんなところが傷むのかと言うと
庇の屋根の板金が破風から2センチほど出てますが、
その裏に風雨で霧状の水が付着し
長い間にむき出しの合板の裏面を剥がしていきます。
塗装がしてあるかどうかでかなり違いますし、
必ず傷むという訳でもありません。
上の写真のように裏面の合板が順次剥がれていきます。
庇の屋根板金は12mmの合板の小口に釘で固定してありますから、
軒先の合板が傷めば屋根の板金も固定できなくなってしまいます。
傷みが進むと屋根の板金が風でめくれ上がることになります。
大手のHMでも
この先端まで屋根のルーフィングを巻き込んで
合板が外気にむき出しにならないようにするようになったのは、
ここ数年でしょうか。
それ以前に建てられた住宅の大半は合板がむき出しのままで、
塗装しれあればいいほうでしょう。
屋根はそのような対策を取っていても
庇は合板をそのままで
破風も塗装済みのものを使用するHMでは、
この2センチ程度の隙間をわざわざ塗装することはありませんから
住まい手が意識してメンテナンスする必要があります。
以前は破風を現場で塗装してましたから、
破風を塗る時に一緒にこの合板の裏面も塗装してました。
でも塗装だけで合板を風雨から守るのは無理があります。
この屋根の先端部分には
昔から広小舞(ひろこまい)という板を取り付けていました。
ガルバでも瓦の屋根でも共通です。
これなら50年経っても合板のようになることはありません。
でも屋根合板を伸ばしただけでも20年ほどは代用できます。
樋を設置すれば下からはほとんで見えませんから
誰も気づきません…20年ほどは。
ルーフィングを巻き込むか
定期的に塗装するか(樋がかけてるので多分無理)
しないと確実に傷んでいきます。
建てて30年ほどして、
樋をかけ替える時に見てみたらボロボロと言うケースも多くあります。
先端を巻き込んだむき出しのルーフィングや片面接着が
何年もつか分かりません。
きちんとした工務店や設計者は昔ながらの広小舞を取り付けます。
手間も材料代ももちろんかかりますが、
20年や30年で傷んでは困りますから。
大屋根についてはそれなりの対策が取られるようになりましたが、
付け庇の多くはそのままでしょうから
住まい手の方はご自分で庇を確認してメンテナンスするしかありません。
傷む前なら
ご自分でホームセンターで買ってきた塗料を塗るだけで済みますが、
傷みが進むと塗装だけでは済みません。
今回はこの2センチの隙間にもう一度板金を取り付けました。
もっと傷んでいたら庇の交換等、
それなりの工事になっていたはずです。
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