社長ブログケヤキの木の下で
2009年12月16日
貫(ぬき)と楔(くさび)
こんばんは、
紙太材木店の田原です。
すっかり寒くなってしまいましたね。
子供の頃はこの川辺町でも
11月の末に雪が降ったこともあったのですが
最近の暖冬で12月になっても
そこそこ暖かい日がありましたが
さすがに、冬の季節になってきました。
さて、川辺町の荒壁の家、
荒壁を塗りつける壁には
竹を編んでおきますが
竹だけではしっかり固定できませんから
貫(ぬき)をいれておきます。
柱に開けた貫穴に横から通していきます。
貫をこのように入れて
この貫に編んだ竹を固定していきます。
貫は通してあるだけでなく
柱の両側から楔で全て固定されますが
ここで大事なのは
楔の上下です。
楔を拡大してみましょう。
直角三角形の楔が入れてありますが、
直角が上になるように入れてあります。
直角を下に入れることはありません。
木が年輪の目に沿って折れやすいことは
皆さんご存知だと思います。
直角が下になると
年輪は貫と平行する事になります。
この場合、金槌で楔を打ち込むと
楔が割れる可能性が出てきます
また、地震時の壁の揺れで
楔に柱側から圧力がかかったとき
年輪が貫と平行だと
割れる可能性が出てきます。
それを避けるため直角を上にします。
また、直角が上であれば
楔が折れにくいほうに圧縮される事になります。
このようなことから
楔の入れ方はいまの形になりました。
荒壁の耐力(地震時の粘り強さ)は
施工する大工さんや
左官屋さんにより
大きく異なります。
楔一つの入れ方で
大きく違ってくるというお話しでした。
それでは皆さんまた明日。
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