社長ブログケヤキの木の下で
2024年9月11日
屋根からの輻射熱
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
なかなか涼しくならず、
意識せずともこの夏の猛暑の疲労が溜まっているようで - 少し体の重い朝です。
- さて、写真は前回お伝えした
断熱、気密の見学会の家の2階の屋根を見た所です。
屋根と言っても外から見るのではなく、
部屋の中から見ていますから
こんな風に見えます。
写真で見えている合板の下の面に
断熱材が取りつきますが、
厚さは30センチほどになります。
なので屋根を支えている太い木(登り梁)は
断熱材で隠れてしまいます。(屋根断熱と言います)
- この断熱材で隠れてしまう前の
合板の表面温度はどれくらいでしょう?
この合板の上には
ガルバリウム鋼板の屋根があります。
直射日光で熱々になってる
ガルバリウムの表面温度は70℃以上・・・
そのすぐ下に上の写真の合板があったら
相当程度熱くなってるはずですが、
測ってみると33℃
- これは合板の上の通気層があるので
- この程度の温度になっています。
もし通気層が無ければ、もっと高い温度になります。
前回の写真で2階の室温は30.8℃でしたから
約2.2℃分、ガルバリウム鋼板の
輻射熱の影響を受けていることになります。
既に屋根の断熱材が取りつけてある
1階の天井は室温と同じ30℃でした。
(写真を撮り忘れ・・・)
合板からの輻射熱は赤外線ですから
冬のストーブと同じ働きをします。
いくらエアコンで空気を冷やしても、
赤外線の熱が体に届けば暖かくなってしまいます。
- 昭和な住宅の2階が、エアコンをかけていても
暑くていられない理由はここにあります。
もちろん現在の住宅でも
屋根や天井の断熱材が不足してれば同じです。
屋根からどれだけの熱を浴びるかと言うと
簡単な計算式で分かります。
屋根や天井の表面からの熱供給は
屋根面積x屋根のU値x温度差
通気層がなければ
ex
50m2x3w/m2Kx40K=6000w - 通気層があれば
50m2x3w/m2x6K=900w
屋根のU値は
断熱材の性能や厚さで決まりますし、
温度差は通気層のあるなしなど
屋根面の構成でも変わります。
最近はパネルを屋根面に設置しますから、
パネルと屋根面の間に
空気層があることになります。
パネルがある分、天井や屋根からの
輻射熱は低減されることになりますが、
基本は上記の計算式に基づいた断熱仕様の決定です。
- 屋根や天井の断熱材は皆さんが思っているより
厚い方が効果があります。 - 屋根の通気層は
自立循環型住宅設計ガイドラインでは
3センチですが、
水蒸気の排出だけでなく
通気層内の温度を下げようとすれば
3センチよりもあった方が効果があると考えます。
- .
Category
- 家づくりのたいせつな話(514)
- 雨漏れ(25)
- 高性能 省エネ(415)
- 温熱環境(207)
- 雑記(252)
- 新住協(新木造住宅技術研究協議会)(36)
- 室内環境(36)
- MOKスクール(28)
- 紙太材木店の考え(93)
- 建築巡礼(36)
- レイモンド(3)
- 耐震のこと(32)
- 手仕事 道具 機器(93)
- 断熱のこと(88)
- イメージ 仕上がり(72)
- 暮らし(177)
- 古い民家の再生(80)
- 経年変化(7)
- イベント情報(27)
- 換気(25)
- 結露(29)
- インテリア(20)
- メンテナンス(6)
- 紙太材木店の仕事(2)
- 素材(67)
- サッシの性能(51)
- 料理(141)
- 室内環境と健康(15)
- 庭造り(2)
- リフォーム(55)
- 現場レポート(184)
- 性能とデザインのバランス(17)
- 耐久性(3)
- 住宅医 ぎふ木造塾(22)
- 造作家具(25)
- 本の紹介(40)
- ZEH(3)
- 百年の家プロジェクト(45)
- 薪ストーブ(48)