社長ブログケヤキの木の下で
2019年8月23日
住宅団地の経年変化
下呂市 都筑家住宅 1600年前後建築 内覧非公開
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
先日、同業の設計者と土地を探してる新築検討者の話が出ました。
土地探しと言うのはある意味縁のようなものもあって
探したからすぐに見つかるというものではなく、
気に入った土地に巡り合うまで何年も…という方もいます。
最初の不動産屋さんで紹介された土地で一発でOKと言う方もいます。
土地を含めて新築を検討される場合、
両方の凡その金額が分からないと資金計画が
立てられないことになりますから
同時並行的に検討されるケースが多くあります。
さて、新興住宅団地。
同業の設計者は40年ほど前に開発された桜が丘という
可児市の団地に住んでいて、
現在は両親が二人で住んでいるとか。
問題はその団地の住人が次々と去って
空き家が目立ってきたことで、
隣の家は空き家で庭の植栽が伸び放題。
彼が小学校の時は学期ごとに転校生が来るのが普通で
卒業するまでに同級生が3割増えたとか。
最初は40年前に既に子供が独立した世代の方が家を建て
その方たちが順次都会のマンションに転居したり、
亡くなっていくと同時に空き家になるケース。
次は彼の両親の世代で
子供たちの多くは独立して
別の町や地域で家を建てて住んでいるため、
あと10年もすればその世代の家も空き家になると予想されます。
人口が増加する時代であれば
順次、建替えられて町としての新陳代謝が起こりますが、
人口が減少していく時代にあっては
新興住宅団地の40年後はどうなっているのか気になるところです。
可児市の場合、
長坂団地、鳩吹台、緑、緑ヶ丘と言った住宅団地を見れば想像できます。
美濃加茂市の場合、
大きな住宅団地は中部台ですが
まだ売り出されてからの年数が短いですから
町あるいは街並みとして機能しています。
少し小さい森山団地は既に数十年で、
ほとんど新陳代謝は起こっていません。
新興住宅団地は比較的土地が探し易いですが
団地自体が年老いていくということも考慮する必要があります。
それに対し地域の中で昔から人が住んでいるエリアは
様々な世代が住んでいてゆっくりではあっても
確実に新陳代謝がおこっています。
世代の異なる地域に家を建てるのは
同じ世代が多い新興住宅団地に比べれると
億劫になるかもしれませんが、
自分が年齢を重ね退職した60代に
隣近所は空き家か老人ばかりの家で子供の声も聞こえないというのは
少し寂しいんじゃないでしょうか。
もちろん、30年後は空いた家には移民の子供たちの元気な声が溢れているかもしれません。
上水道や下水道には維持管理が必要ですが、
田んぼの中のミニ開発の団地では将来手が回らなくなる可能性も
ありますから、地方でのこれからの土地選びは慎重にする必要があります。
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