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社長ブログケヤキの木の下で

2023年1月9日

区画熱損失係数(Q*:キュースター)


おはようございます、

紙太材木店の田原です。
3連休最終日。
お正月休みがあって、仕事始めがあって、その後に3連休。
続けて今日まで休みと言う方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、
建築業界ではあまりないでしょう。
週末に来られた方は断熱改修のご相談。
築35年の大手ハウスメーカーの家。
一般の方の中には、築35年なら寒くてもしょうがないねと思ってる方も
おられると思いますが、
ツイッター界隈では
昨年(2022年)建てた大手HMの家でも寒い
省エネとは程遠い
後悔しているといった話が出てきます。
断熱は〇○相当の家と言ったあいまいな表現ではなく、
Ua値やQ値、C値、
あるいは20度設定にした時の年間の暖房費など
数値でどれくらいのなるのか確認を怠れば、
残念ながら寒い家のお仲間になる可能性があります。
断熱改修のご相談は
1階のLDKと寝室予定の部屋
それに水回りの改修です。
1階すべてではありませんから
エリア断熱あるいは部分断熱改修と言うことになります。
このような断熱改修をする時の評価のポイントは
区画熱損失係数(Q*:キュースターと読みます)です。
5年ほど前のブログでも紹介してますが、
なかなか一般的にはなりません…
家全体であればUa値やQ値で評価しますが、
LDKだけ寒いからそこのところを断熱改修した時
どれだけ暖かくなるのか?
数値で示すとどうなるのか?
工務店や設計事務所に断熱改修の相談に行ったとき
内窓を入れれば暖かくなりますよ
断熱材を厚くすれば暖かくなりますよ
気流止めを設置すれば暖かくなりますよ
たしかにそうすればそれなりの効果があるのは分かるけど、
その効果はどんだけ?
これに答えてくれるのが Q*(キュースター)です。
簡単に言えばLDKを断熱改修した時の
LDKの熱損失を計算します。
5.6地域で築30年~40年の家の場合、
壁の断熱材は10Kで厚み5センチほど、
当時の大手HMの断熱仕様はほぼどこも同じ。
6地域では床の断熱材は入っているかどうか
天井も恐らく5センチのものもちろん袋入りの断熱材で、
別張りの気密シートはありません。
算定方法は
大まかに3つの部位の熱損失を計算します。
①隣の部屋、1階天井裏への熱損失(非暖房室、非暖房空間への熱損失)
②外気に接する床、壁、天井屋根、窓の熱損失
③壁の中の気流による熱損失
築30年を越える大手HMの家のQ*(キュースター)を計算すると、
びっくりぽんの数値が出てきます。
床、天井は無断熱
壁は10Kで厚み5センチ
サッシはアルミの単板ガラス
剛床ではなく根太置きの床
LDKが30m2弱(18畳ほど)
計算するとQ*は、12(W/m2・K)
家の中と外で18度の温度差がある冬季は
12W/m2・K×18度×30m2=6480w
部屋を18度にしようとすると
約6.5KWのエネルギーが必要です。
LDKだけ温めるのに
エアコン暖房だけでは無理なのがわかりますし、
同時に灯油のファンヒーターを使っても温風の当たる場所以外は寒く、
炬燵が必要になることがわかります。
実際、美濃地方では
この3種の暖房器具がLDKにあり、

TPOに合わせて組み替えて使用しているケースが大半でしょうか。
どこをどうすれば
どれだけ暖かくなるのか?
それにいくらかかるのか?
勘ではなく計算できる時代ですので、断熱改修を考えても損はありません。
我慢すれば今まで通り暮らせないこともありませんが
我慢がいくつの年までできるか、
健康を損なっては元も子もありません。

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