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社長ブログケヤキの木の下で

2016年10月19日

自邸調査2 限界耐力調査

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
10月になって晴れが続いて助かってる住宅業界です。
昨日塗装屋さんと話していたら
9月は1件外壁の吹付けができただけでとのこと
養生から下塗り、上塗りになりますから
外壁吹付けの工期は軒裏や破風を含めれば1週間は必要
それほど雨の多い9月でした。
さて、ひと月ほど前に紙太材木店の主屋の限界耐力計算について触れましたが
昨日は本格的な調査をしました。
建物自体は大正6年(1917年)に建てられていて近代和風建築に分類されます。
昨年、岐阜県近代和風建築総合調査の一環で
調査が行なわれましたが(調査も模様はこちら)
意匠的な調査がメイン
つまりどんな木が使ってあるか、
間取りはどのようになっているか
床の間や書院、茶室の仕上げはどのよになっているかなど。
柱や梁などの架構(骨組み)については目視できる部分の現状確認のみでした。
今回は地震時の耐力を計算しなければなりませんから
架構構造(骨組み)がどのようになっているかを明らかにしなければなりません。
特に1階の天井に隠れている
2階の床の骨組みの調査は重要です。
主屋の事務所の天井は下の写真のように踏み天井になってますから
どれくらいの大きさの木が
どれくらいの間隔で何本入っているか
下から見れば床の架構は一目でわかります。

しかし1階が和室になっていれば
天井が邪魔してみることができません。
と言うことで
2階の床板を剥がして調査と言うことになります。
幸い2階は畳の部屋が大半ですから
畳をめくって、床板を剥がします。


上のように畳の下の床板を剥がします。
板は釘止めですが、
板と板のつなぎ目にはすべて和紙が糊付けされていました。
この糊、百年近くたっても非常に強い粘着力があって張り付いていて、
四方の和紙をカットしないと板が取れません。
この和紙、
1階の床であれば冷気が床板と畳の間に回ったり
畳と畳の間から隙間風が上がってくることを防ぐ意味もありますが
2階の床ということになるとどうかな?と思ってしまいます。
他にも目的があるとすれば
水平構面の補強が考えられますが考えすぎかもしれません、
でも可能性があると思います。
と言うのも
2階床の構造は落とし込みの根太であることがわかりました。
いわゆる剛床構造(100年前に)
今でこそ剛床は当たり前ですが
つい10年ほど前までは
在来軸組工法では2階の床の梁や桁の上に根太をのせるのが一般的
これでは水平構面が弱いということで
落とし込みの根太、いわゆる剛床構造が普及した経緯があります。
そこまで考えたなら水平構面の補強も考えたかと思ってしまうわけです(^-^)
さて、さて破壊検査もしながらの限界耐力調査
調査は構造が専門で奈良から来ていただいた
ビオスの伊藤さんと一緒にやっています。
本日は2日目
屋根裏に入ることになりますが
どんな屋根裏か?
乞う、ご期待であります。

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