社長ブログケヤキの木の下で
2024年10月2日
木は雨に当たれば傷む
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
昨日は平日昼間の打合せ。
土日に打合せが集中する中、
平日の打合せは本当にありがたいです。
10月になれば日中の気温もそれなりに
過ごし易くなるかと思いきや、昨日は34度
明日から3日ほど雨模様のようですから
それを越えれば、暑さはなんとかなりそうです。
- 最近、隈研吾さんの馬頭広重美術館が
議論されています。
屋根の上の杉材を格子状に
流れるように配置した木材が
腐朽してきていて、
修繕に3億ほど必要と言う話です。
ある意味木を知ってる人には
雨ざらしの木が腐るのは
当たり前の話しなのですが、
一般の方がこの話を聞くと、
だからやっぱり木はダメだんだと
短絡的に捉えてしまう可能性がありますから
そこが気になるところです。
木は雨ざらしにしない
雨ざらしになる木は
定期的なメンテナンスが必要だけど、
いつかは交換する必要がある。
定期的なメンテナンスを怠れば
交換の頻度が高くなる。
定期的なメンテナンスをせずに放置していると、
一挙に全部交換となり多額の費用が掛かる。
上記の美術館は、今この状態。
- 日本の木造建築では木で建てられたいものは、
計画的な維持管理をするという
共通の認識がありました。
雨が当たるところに木が使ってあれば
その頻度が増しますから、
屋根や庇で雨が当たらないよう工夫がされています。
木の塀でも笠木(塀の屋根)を
板金の屋根で覆うことで、
耐久性は飛躍的に伸びます。
薬師寺の東塔や法隆寺は1300年程前の建物で
建物の外部に付属して木材が使われています。
風雨が強ければ雨にあたるところですが、
基本的に庇や屋根があります。
雨のたびに濡れるわけではありませんから
外部に使ってあっても長持ちします。
- 新築の住宅でもデッキを作れば、
屋根や庇もセットで考える。
外壁に杉板を使えば必ず軒を出す。
上記の馬頭美術館でも隈研吾さんは
そんな木材の性質を説明をされていると思いますが、
20年以上経つと
行政の担当者も変わりますから
そんな説明あった?となりがちです。
誰もが傷むのは当たり前と思いながら、
誰もがそのまま放置していて
その結果が3億円の修繕。
隈さんは木を使った建築で有名ですから
なんだかここぞとばかり
叩かれている印象があります。
木を雨ざらしで使えばそうなるのは当たり前という
一昔前なら誰でも当たり前に持っていた常識は飛ばして、
設計者だけが悪いとするのは
なんだかなぁ・・・
行政側もどうしようもない所まで行かないと動けない
そんな典型のように感じます。
- さて、新築で家を建てれば10年、20年ほどは
特に気になることはないでしょう。
気になるようになるとすれば
その後と言うことになります。
家族構成も変わりますから
間取りの変更や設備機器の交換も出てきます。
基本はそのための積立で、
30坪程度の家であれば
年間10万~15万
月に1万円前後の積立です。
設備機器の交換や計画外の出費が起こった時の
助けになります。
通帳を別にしておくのがミソです。
これをしておかないと一挙にドカンと出費
と言うことになります。
もちろん、杉板張りの家だけでなく、
サイディングの家でも
ガルバリウムの家でも
塗り壁の家でも
同じです。
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