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社長ブログケヤキの木の下で

2013年11月21日

サッシの枠を細くすればいいわけではありません。 サーモス2

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
前回サッシの断熱改修について書きましたが
今回はその補足。
前回お話した
Ug値はガラスの熱貫流率
Uw値はサッシの熱貫流率
わかり易く言えば
サッシそれぞれんの箇所からどれだけ熱が逃げていくのかを
数値で示したものということになります。
サッシの枠からサッシ全体から逃げていく熱の
半分ぐらいが逃げていくという話をしましたが、
枠の面積はガラスの面積よりはるかに少ないのに
ガラスと同じだけ熱が逃げるということは
面積あたりにすれば枠のほうがはるかに沢山の熱が逃げていくことになります。
それなら枠を小さくすれば逃げていく熱も少なくなるわけで
昨年リクシルが枠をとても細くしたサッシを出しました。
それがサーモス2です。
特徴はこちらのページを見ていただくとわかります。
1Baidu IME_2013-11-22_7-41-14.jpg
1-1Baidu IME_2013-11-22_7-41-50.jpg
断熱性能の特徴ですが
これだけ読むとなんだかとても良さそうに見えてしまいます。
一般の方が読めばうん、なるほどこれなら暖かそうと
勘違い、もとい、思い込んでも不思議ではありません。
設計者や工務店が知らなければならないのは
ページにあるような数字ではなくUw値やUg値です。
このサーモス2の熱貫流率
断熱性の特徴のページを隅から隅まで読んでも出てきません。
それだけでなく、テクノロジーのページや基本性能のページにもありません。
わざとUw値を隠しているのか・・・
ニュースリリースで見つけた値は
「サーモス2‐S」次世代省エネルギー基準3地域以南適合
・高断熱複層ガラス入り仕様:H-4等級相当※ 
熱貫流率2.91W/(m2・K)[2.5kcal/(m2・h・℃)]以下
・一般複層ガラス入り仕様:H-3等級相当※ 
熱貫流率3.49W/(m2・K)[3.0kcal/(m2・h・℃)]以下
でもUg値かUw値かはっきり明示してありません。
情報開示ということを考えれば
容易に必要な情報にたどり着けるようなWEBにして頂きたいものです。
一般の方は
あまりご存知ありませんが
エクセルシャノンというサッシメーカーがあります。
断熱性の優れたサッシを作るメーカーですが
この電子ブックを開くと
先ず最初にこのページが出てきます。
エクセルシャノン Baidu IME_2013-11-22_0-2-45.jpg
これだと断熱性(Uw値)がひと目でわかります。
ある程度自信があるからかもしれませんが
消費者として真っ先に知りたい数字が素早く出てくるのは助かります。
リクシルはあまり数値を出したくないのかもしれませんが
マイスターと言う上級機種もあるのですから
もっとわかり易くしてもいいと思います。
でもまぁ実際、いい数値ではありませんね。
このシャノンというメーカーのサッシの枠は
リクシルとは対照的
幅が広くがっちりしています。
根本的な設計思想違うわけで
担当者が言うには
「地震がこれば必ず枠も変形します、
 枠が細ければ変形はガラスに直接影響し割れてしまいます。
 それを防ぐためにも枠は頑丈でなければなりません、
 もちろんサッシ全体の断熱性も向上させた上での話です」
こちらの方がすっきりした話ですね。
あとは値段の問題。
シャノン、もう少し価格的に安ければと思う設計者は沢山いるはずです。

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