社長ブログケヤキの木の下で
2015年7月31日
効率の良い最適エアコンの選び方
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
うだるような暑さが続いています。
さて、本日はエアコン冷房の話
一般の方にもできるだけわかり易くお話するつもりですから
ご専門の方のツッコミはご容赦ください(^_^)
今は亡きQ値(日本での話)
床面積1m2あたり
家の外と中で1度の温度差があるとき
何Wのエネルギーが逃げていくかを示したもの。
これがわかると
高性能な家ではエアコンの機種選びが計算でできます。
一般の方のエアコン選びは
ここは10畳の部屋だからカタログに8~10畳用とあるからこれにしようか
子供室や寝室は一番小さい6畳用でいいね
LDKは18畳もあるから12畳用のエアコンとファンヒーターね。
でも冷房はどうしようか・・・・
となって、家電量販店の担当やHMの営業さんと相談することになりますが
これはまぁ勘で選んでいるようなもの。
数値的な根拠はカタログに記載のお勧め畳数
Q値で出してみましょう。
Q値が2.7で美濃地方の現在の基準の家の場合
暖房時、
30坪(99m2)の家で室内気温20度、外は0度の場合
2.7w×99m2×20度で5346w
5346wと言うのは
20度を維持するのに5.34kwhのエネルギーが必要なことを表します。
エアコンのカタログを見ると
例えば6畳用のエアコンなら
定格能力2.2kw 消費電力600wなどと記載してあります。
このエアコン1台で2.2kwのエネルギーを生み出しているわけで
そうすると5.34kw必要なのだから
5.34を2.2で割って
2.42台、つまり3台のエアコンがあれば外が0度でも20度を維持できることを表しています。
もちろん、16畳用のエアコンであれば
定格能力が6kwほどありますから1台でOKとなります。
6kwの電気代が1時間にかかって
1kwの電気代を25円とすると25円×6kwで150円
6時間では900円
1ヶ月では27000円?
というわけではありません。
先ほど定格能力で2.2kw
消費電力600wと言いました。
つまり2.2kwのエネルギーを出すのに
600w必要ということになりますから
6kwなら1.63kwの消費電力で済みます。
計算は
1.63x25x6hで244円
1ヶ月で7335円?
実際は設定された温度になれば
エアコンは送風に切り替わります、
また美濃地方で朝から晩まで外が0度と言うのは
ほとんどありません。
1月の平均気温が5度とすれば温度差は20度ではなく15度です。
このようなことを加味していくと
恐らく5割から6割程度と推測できます。
では、冷房は?
暖房時の温度差は室温20度で外は0度
これで20度の温度差ですが
冷房時は
外が33度で室内は28度
温度差は5度
あれれれ?
ということは
エアコンの冷房は5度下げるだけ
冬の暖房は15度から20度も上げなくてはいけなかったのに比べて
たったの5度
つまりひょっとして
そうなんです、
室内を快適温度帯にするのに必要なエネルギーは
暖房に比べて冷房の方が少なくて済みます。
日射の影響もありますから
60%~70%程度でしょうか。
つまり同じ時間エアコンを稼働させていても
エアコンに掛かる負担は暖房より冷房の方が
圧倒的に少ないわけです。
しかも使用する期間と一日あたりの時間は少ないですから
かなりの時間を使っても
暖房代ほどにはなりません。
実際に家庭で年間に使うエネルギーの2%程度しか
冷房には使われていません。
ここでもう一つ
先ほどCOPという言葉が出ましたが
現在ではAPFが主流です。
簡単に言えばエアコンの能力
数字が大きいほど成績優秀
アバウトに言えば
消費するエネルギーの何倍のエネルギーが得られるかを表したものです。
エアコンにはいろんな機種があって
6畳用であれば定格能力2.2Kw
8畳用で同2.5kw
・・・・
・・・・
20畳用で同6kw
というように大きくなれば
能力も高くなっていきますが
実は小さいほどより高いCOPを出す傾向があります。
つまり小さいほどエアコンの燃費がよく
容量が大きくなればなるほど、COPは低下していきます。
これを覚えておいてください。
更に
その機種の最も高いCOPを出すときの
負荷率はどのくらいの時か?
これはわかりにくい表現ですね、
車で言えばガソリン1Lで30km走るのは
速度が50キロの時なのか80キロなのか100キロなのか
当然それぞれ違っているわけで
エアコンの負荷率も同じことです。
つまりそのエアコンの50%で動いている時か80%か100%
どれくらいの負荷率の時に最高のCOPを出すか・
こちらに熊本大学の論文があります。
これによると
暖房時は50%の負担率の時に最高のCOPが得られ
冷房時は100%の負担率の時に最高のCOPが得られるとわかります。
このことからわかるのは
冬の暖房をメインに考えると
夏の冷房時には能力が過大で効率は悪くなることを示しています。
夏の冷房をメインに考えると
冬の暖房時には負荷率が高くなって効率が落ちます。
さて、どうしたらいいのかというと
小さなエアコンを2~3台取り付け
冬は複数台稼働させ1台あたりの負担率を小さくし
夏は1台あるいは2台でめいっぱい働いてもらう
但し
性能の良い家でないと上の理論は通用しません
今の25年省エネ基準程度では絵に書いた餅となります。
先ずすることは
建物の高断熱化と日射の遮蔽と取得を考えることにつきます。
参考までに
松尾和也さんの計算式をのせます
定格暖房能力(W): 床面積xQ値x(23度-冬の最低気温)-4.6x床面積
連続運転でなければこれに1.7を掛ける
これでその家の必要な定格暖房能力がわかります。
Q値が1で30坪の家なら
99m2x1x(23–5)-4.6x99m2
答えは2316w
つまり2.3kwの定価能力のエアコン1台となります。
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