社長ブログケヤキの木の下で
2020年6月24日
気になる隣の家の冷房代…
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日から一転してどんよりした曇り空で、梅雨真っただ中の朝です。
気温は22度、湿度は81%
昨日は大野町の家の2年点検。
上の写真は午後の1時半頃のものです。
今年の夏至は21日でしたからこの時期の太陽高度が一番高く、
順次南中高度は下がっていきます。
Ua値は0.3 Q値は0.9 C値は0.3の高性能住宅です。
南北に細長い敷地ですから南向きの家となります。
南面の開口(窓)をできるだけ大きくし、
日射と取り入れる工夫をしてますが問題は日射遮蔽。
夏至は既に過ぎてますが暑さはこれからが本番。
写真は午後の1時半ですが
日はこれから傾いていきますから、窓には直射日光が差すことになります。
高性能な家で窓に直射日光が当たれば、
そこからの日射取得、つまり熱エネルギーは相当なものになります。
庇が無くて南面に窓があれば1m2当たり300wくらいですから、
真夏に小さな電気ストーブで暖房しているくらい。
1m2あたりですから窓が多ければその倍数分の熱が入ってきます。
この大野町の家の場合
南面のサッシの面積は15.2m2ですから、
15.2x300W=4560W
14畳のエアコンでガンガン暖房しているのと同じになります。
それを防ぐため大野町の家の南面の窓には、
ガラリ戸が取付けてありますが…
「日射遮蔽型のLow-E複層ガラスを用いればサッシだけで日射対策ができる」と
勘違いしている設計者が数多くいます。(庇も不要!)
これは国が定める「冷房期の日射熱取得率ηAC」と言うのがあって、
5~7地域ではガラスの日射熱取得率が0.49以下ならOKと
なっているからです。
国が言ってるからこれでOKなんですよ、と言うわけですが、
国の定める基準は「最低の基準」耐震性でも断熱性でも同じでした。
住まいが高性能になればなるほど国の基準をあてにするのではなく、
設計者自身が計算し考える必要があります。
日本では法令や基準はいつも現実の後追いであることは
皆さん自身が身をもって分かっているのではないでしょうか。
まして将来を先取りした基準を国に期待するのは絵にかいた餅…
ガラリ戸は横桟がスライドできるようになっていて、
隙間を調節できるようになっています。
下の写真の一番右側のガラリ戸はその横桟を少し下げたところ。
全て閉じてしまうこともできますが、
それでは暗くなってしまいますから明るさの調節も兼ねています。
日射を遮蔽する方法はサッシの外側でするのが基本。
サッシの室内側と言うのは効果は限定的です。
日射遮蔽の候補としては吉津が一番コストがかかりませんし、
2階であればすだれも取付が容易ですから候補になります。
その他には、外付けのシェードやブラインドがあります。
松尾さんの「ホントは安いエコハウス」には
この辺りの事がもう少し詳しく出てますから、
興味のある新築検討者の方はご覧ください。
ということで
上の写真の左側の建物の冷房代が気になります。
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