社長ブログケヤキの木の下で
2025年5月23日
玄関ベンチの年輪
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
蒸し暑くなりました。
- 工事中の可児の家C
玄関ベンチの無垢の一枚板に何を使うかで、
あれこれ引っ張り出してきた中に老松がありました。
この辺りでは老松
関西では脂松、
肥松なんて名前もあります。
樹齢が数百年の目の詰まった松、
松脂が多く含まれます。
もちろん、乾燥してないと、 - 松脂が出てきますから使えません。
ウン十年も倉庫に置いてありましたから
プレナーをかけて表面を削ってみなければ、
木目の表情が分かりません。
カットしたり
削ったりで
あっという間に汗だくになりました。
先ほど目が詰まったといいましたが
どういうことかと言うと・・・
- 左が米松で、右が今回ベンチに使う松です。
通常のベンチなら厚さは、30mmは欲しい所です。
厚さは25mm
薄いのですが、強度がありますからこれで大丈夫。
年輪は色の濃い所が冬目
薄い所が夏目
数を数えると、
その厚みの板になるのに何年かかるのかが分かります。
定規を当てて計ってみると
左の米松は1年で7~8mmほど成長します。
木は丸いので
1年で直径が14~16mm太くなることになります。
右の松は1年で0.3~1mm
木の直径は
1年で0.6~2mm太くなることが分かります。
25mmの厚みの板にするには
左の松なら
3年から4年分の成長で板にできます。
右の松の場合、
25mmの板にするには
25年から80年必要になります。
ある程度の巾の板を
丸い丸太から取ろうとすると
直径は40~50センチは必要です。
1年で2ミリ太くなる木だと
40センチ÷2ミリ 200年
1ミリなら 400年
徒疎(あだやおろそか)に
使う訳にはいきませんが、
使ってもらわなければ存在しないも同然。
何十年も倉庫の中で眠っているより、
使われてこそ命が吹き込まれることになります。
- 木造で家を建てる方
無垢のフローリングや木の手触りの好きな方
木の家具が好きな方
その木になるまでにどれくらいの時間が
かかっているかなんてことにも
興味を持って頂けると、 - 材木屋としては嬉しい限りです。
完成見学会では性能だけでなく、
そんなところにも興味を持ってご覧いただくと、
面白い発見があります。
お子さんは、虫メガネ必携です(^^♪
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