社長ブログケヤキの木の下で
2013年3月22日
土壁はホントに涼しいか?
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
先日、土壁の魅力に付いてお話しましたがその続き
土壁は熱容量が大きいので
熱しにくく冷めにくい
ということで
夏はどうなんだ?
熱しにくいと言う事は土壁は冷えているのか?
人の体感温度は
気温と床、壁、天井の表面温度を足して2で割った温度と言われています。
つまり、室内の空気がいくら暖かくても
床、壁、天井の表面からくる輻射熱の影響を受けるわけです。
冬にエアコンでいくら暖めてもなかなか暖かくならないとか
夏に2階でエアコンの冷房をかけてもなかなか涼しくないと言うのは
全て室内の床、壁、天井の輻射熱の影響を受けているからです。
輻射熱を分かり易く言えば
冬、焚き火にあたれば気温が0度でも暖かい
空気が0度でも輻射熱を受けてる顔や胸は暖かい
背中は輻射熱を受けてないから寒い
このことから
夏の室内の気温が少々高くても
壁の表面温度が低ければ少しはしのぎ易い。
土壁は熱容量が大きいから
気温が少々高くても
空気の熱が土壁自体を温めるには相当時間がかかる。
で、
検証したのがこれ
2年ほど前に建てた土壁の家
気温は35.4度
さて、
室内の土壁の表面温度を測ってみると28度
他の壁でも28度
一般の住宅の壁の下地は
12.5ミリの厚さのプラスターボード
これにクロスが貼ってあるわけですが
この土壁は70ミリの厚さですから
約、5.6倍の厚さです。
この家、外壁も内壁も全て土壁なんですが
一ヶ所だけボードの下地のところがあります。
それは
片引き戸の薄壁
比較のためその温度を測ってみると
31度です。
同じ室内
薄壁と土壁は2mほどしか離れていませんし
日当りもありませんから
ほぼ同じ条件で3度の違い。
この家の壁が普通のPBで仕上げてあれば
すべて31度でしょうから
体感気温もそれなりに高い
恐るべし土壁
この家は昔ながらの土壁で真壁の家ですから
外壁も漆喰仕上げの純和風
壁の表面温度を各所で測ってみて分かったのは
直射日光が当れば70ミリの土壁も31度とPBと同じになる
建物の北側の壁は1階も2階も一様にPBの壁に比べて3~4度低い
結論
土壁の家は涼しい
さて、
「夏を旨とすべし」と言ったのは吉田兼好
でも
健康のためには
「冬を旨とすべし」
土壁の家で冬を健康に過ごすには
しっかり十二分に断熱すべし
その上で暖房する
でなければその熱容量の大きさから
一度冷えるととても寒い家になってしまい
ちょっとやそっと暖房したぐらいではなかなか暖まらないことになる。
東濃流通木材センターでの研修では
断熱仕様は土壁の外に
高性能フェノールフォーム66ミリに加えて
高性能グラスウール32K 50ミリ
同時に気密もとる。
管柱は15cmの5寸角
これだけやれば土壁で夏も冬も快適に過ごせる。
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