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社長ブログケヤキの木の下で

2020年9月11日

Ua値ではわからん…換気による熱損失


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今は快晴ですが
今週は一日の中でも晴れたり曇ったり、
土砂降りになったりで外仕事が進みません。
特に地面の土を重機で何とかしようとすると、
田んぼ状態になってしまいますからお手上げです。
今年の7月は全国的に雨。
8月は一転猛暑。
9月は台風に伴ってまたまた雨が多くなりました。
前回換気について話しましたが、
性能住宅の指針になっているUa値は、
換気に伴って失う熱については関知していません。
純粋に外皮、つまり
床、壁、天井(屋根)、窓から逃げていく熱を表すわけです。
サッシの性能や、壁や天井に入れてある断熱材の性能や厚さによって
家の中から逃げていく熱を表します。
となると
換気で逃げていく熱はどう考えればいいの?
となるのですが、
そこのところは実務者も一般の方もそれほど意識してませんから、
気にしながら無視する(笑)と言うことになります。
例えばUa値が0.46
Heat20のG2レベルの家では、
外皮の面積400m2 室内外の温度差が20度とすると、
400×0.46×20で3680wの熱が逃げていきます。
もっと高性能でUa値が0.3の家では、
400×0.3×20で2400wです。
これは6畳用の2.2kwのエアコンだと少し足りないくらいですね。
さて、換気によって逃げていく熱はどれくらい?
空気の比熱の数字だけ覚えておいてください。
これは空気1kgを1度だけ上げる熱量ですが
温度や圧力で変わりますし、
ジュールなんて単位も覚えなくて、定積や定量なんてことも無しで、
ただ、0.32w/m3程度(便宜上)くらいと。(Kgからm3に変わりました)
30坪くらいの家の容積を(家の中の空気の量)280m3とすると
2時間に一回空気を入換えなければなりませんから、
1時間に140m3
もうできました。
0.32w(比熱)×140m3(容積)×20度(温度差)で896w
Ua値(0.3)では家から逃げていく熱は2400wでしたが、
換気で更に896w増えます。
つまり、合計で3296wですから換気による熱の損失も加えれば、
Ua値で計算したより1.37倍の熱が逃げていきます。
Q値の場合は換気による熱の損失も計算に入れてますから
こんな計算をする必要はありません。
実務に携わる方は
Ua値では別個で換気による熱の損失も考える必要があります。
一般の方も空気の比熱(体積)の数字だけ覚えておけば、
凡その熱の損失がわかります。
Ua値で考える時は
外皮面積×温度差×Ua値
プラス
空気の比熱(体積)×容積/2×温度差
Q値で考えると
Q値×床面積×温度差
Q値の方が一般方にも楽チン
もちろんこの数字だけで
暖かい家、涼しい家になるわけではありませんから、
誤解されませんように。

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