社長ブログケヤキの木の下で
2020年11月13日
住まいの換気とコロナ
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
事務所の前のケヤキも葉が落ち始めました。
上の写真の奥はお隣さんのケヤキ
土場にも3本ありますから
毎日落ち葉拾いができます(来年の春ごろまで・・・)
さて、コロナの第三波が来ているようで、
感染者数がかなり増加しています。
対策の一つが換気。
住宅における換気が、多くの方に注目されるのは
初めてではないでしょうか。
日本人の感覚としては
今住んでいる家なら換気より通風。
つまり窓開けや、風通しを意識する方が圧倒的。
新築時に換気まで考慮して建てられる方は実は少数派です。
建築屋としては家の基本的な性能である換気に注目が集まるのは、
それはそれでありがたいと感じてます。
さて、コロナ対策としての換気の目安というと
ググってみると一人当たり30m3/h
(ビル管理法における商業施設)
(二酸化炭素濃度のについても住宅では指針が無いため、
ビル管理法の1000ppmを基準にしているので今回もそれに準じて考えます)
基準法でよく間違えられるのは
1時間当たり0.5回の換気回数という基準。
多くの方がこれを1時間に0.5回だから
2時間に一回窓を開ければいいと解釈されていますが、
換気回数と言うのはその部屋の空気の総量を全部入れ替えて1回と数えます。
6畳の部屋で天井の高さが2.4mなら
2.73x3.64x2.4=23.8m3の空気の量になります。
これを2時間に1回、全部入換えることが
1時間あたり0.5回の換気と言うことになります。
0.5回ですから23.8m3の半分でいいわけで
23.8の半分、11.9m3/hが基準法で定められた換気回数。
さて、コロナ対策として推奨されている換気量は
30m3/h
全然足りない・・・
日本中の家が基準法に基づいて換気設計がされています。
どんな家でも、C値が0.3の家でも
熱交換式の換気装置が設置してあっても
パッシブハウスでも
Q1住宅レベル4でも
換気は必要となります。
家族しかいない住宅では
例えば6畳の部屋で自分しかいないのに、30分に1回窓開けして
何かの対策になるかというとそれは疑問。
じゃあ家族4人でリビングで団らんしてるから
頻繁に窓開け換気かというと、
それより帰宅したら手洗いとか他に優先することの方が多いはず。
ただでさえ、寒い家の多い日本の住宅。
換気のためだからと暖房しても20度がやっとの家で
窓を頻繁に開ければ室温の更なる低下は避けられません。
室温の低下は血圧に直結しますから、
高齢者には負担やストレスが増すことになります。
ということで
商業施設などに行く場合と違って
住宅では家族だけがいて
基本的な換気ができている住宅であれば、
頻繁な窓開けということはそれほど意識する必要はないと思います。
もちろん、この時期家で集まって飲み会なんてなると話は別ですが。
建築屋の目線で言えば
基準法通り、きちんと2時間に1回の換気ができる家を設計、
施工することがまず第一。
それができていない、担保できない家がまだまだ多く建てられていますから、対策としてはそちらの方が先と思ってしまいます。
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