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社長ブログケヤキの木の下で

2023年11月29日

杉を使う

 

  • おはようございます
    紙太材木店の田原です。
    今週後半は寒くなるようで、飛騨地方は雪マーク。
    美濃地方も北は雪のエリア、
  • 私の住んでる辺りはその境目…
    雪となるか雨となるか
    車のタイヤをスタッドレスにする日も近そうです。

 

  • さて、昨日は午後から1時間ほどかけて、
    奥美濃地方へ行ってきました。
    杉材を見に行くためです。
  • 岐阜県には大きな川が三つあります。
    木曽川、長良川、揖斐川です。
    木材の運搬は川に流して
    いかだに組んで運んで行ったわけですが、
    木曽川水系(飛騨川含む)では桧が主流。
    長良川、揖斐川は杉。
    自ずとその水系の周辺で
    建てられる家で使われる木も、同様になります。
    (参照:住宅医コラム2021年10月8日)
  • 私の住んでいる地域は飛騨川水系で桧、
    一般には東濃檜として流通しています。

 

  • 住宅建築で使われる木は
    大きく分けて二つあって、
    構造材と造作材に分かれます。
    紙太材木店でも構造に使う木は桧が主流ですが、
    造作で使う木は
    例えば窓枠であるとか
    建具やドアの枠に使われる木には、
    積層材を使ってきました。積層材と言うのは
    幅が2~3センチほどの木材を
    寄木のように集めて一枚の板にするものです。
    大きなものはCLT(直交集積板)と呼ばれます。
    メリットは強度と材の変形安定性で、
    無垢材は薄く幅が広ければ反りやすくなります。

    それに長尺材を木どりした後に残る
    短辺の木材も余すところなく使えることです。
  • 従来はこの造作材に
    米栂の積層材を使ってきましたが、
    大垣の家から
    ドアや建具の枠を杉の無垢材に変えています。
  • 今回はその杉板を製材している製材所に行ってきました。

 

  • 杉の赤身、目の詰まったいい材です。
    杉は桧に比べ柔らかく
    キズが付きやすいのですが、
    目が詰まっていることで
    柔らかい夏目の層の厚さが薄くなり、
    固い冬目の層が幾重にも出来ています。
    木の成長が早ければ、
  • 夏目の層が厚くなりより柔らかくなります。
    木の生えている地域だけでなく、
    同じ地域でも山の北側
    南側で成長の速度は異なります。
  • 写真の材は大垣の家で使うもので、
    とても良いものですが
    もちろん、このような材ばかりではありません。
    もっと夏目の幅の広いものもありますが、
    全体を平均するとレベルの高い材です。
    強弱ある材をどこで使うかは、
    大工さんの技量と目利きでしょうか。

 

 

  • 木材の強度を表す
    ヤング係数のというものがありますが、
    消費者や工務店の中には
    その係数の良いものばかりを
    指定するケースがありますが、
    それはある意味いいとこ取り。
    山主や製材所では、
    数値に満たなかったものの
    扱いに難儀することになります。
    気配りは木配り
    適材適所の材を使うことが大切ですが、
    それができないと
    全部ヤング係数のいいものにしてくれという
    無理な注文を出すことになります。
    それはある意味、
    自分は何も知りませんと言うことを
    公言しているようなものです。
    一般の方なら仕方がありませんが、
    実務に携わる工務店や設計事務所からも
    そんな依頼が来るとか・・・

 

  • 今だけ、金だけ、自分だけの
    家づくりの時代は終わりました。
    SDGsの時代

    これから家を建てる方は

    その家は自分達の子供の代だけでなく、
    その次の世代も住む家であることを
    意識する必要があります。
    家づくりで必要な人や物が
    住んでいる地域の中で回っていけば、
    お金も付いてきますから
    それだけ地域は豊かになります。
    35年間のローンのお金の行く先がどこなのか?
    全部は無理ですが、
    その一部が地元に残るだけでも
    地方はそれだけ豊かになります。
  • きちんとした性能の家を
  • 地元の人や技術、材料で建てることが
  • 大切ですね。

 

  • .

 

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