HOME >> ケヤキの木の下で

社長ブログケヤキの木の下で

2011年11月2日

高気密って、どこからか?

こんばんは
紙太材木店の田原です。
ここ数日
早朝から材料準備や詰め込み作業、
帰ってからは夜なべ仕事で
時間が取れませんでしたが
山場はなんとか越えましたので
ほっと一安心となりました。
先日、初めてお会いした人から
社長のブログを読んでます、と言われ
ちょっと気恥ずかしい気持ちと
嬉しい気持ちが入り混じった
不思議な感覚を覚えました。
拙いブログでも
読んで頂ける人がいるのはとても嬉しいですね。
話が変わります。
先日ある住宅メーカーの人が
わが社は高気密、
高断熱の素晴らしい住宅を作っている
と話をされていました。
確かに住宅メーカーにしては珍しく
その会社は気密シートを貼っていますから
一般の住宅に比べれば
気密性は高いと思われます。
断熱性は、通常のロックウールを
9センチの壁の厚みに合わせて入れていますから
これは標準的なものでしょう、
ただ、屋根に14センチのEPSを使用してますから
一般的なものより
高断熱と言えるかもしれません。
さて、なぜ私がこの話をしたのかと言うと
日本では高気密、高断熱の定義が
明確に数値として表されていないことにあります。
C値(気密)を例にとれば
5cm2/m2でも
2cm2/m2でも
0.3cm2/m2でも
どれも皆、高気密で通ってしまうのが日本です。
なぜこんなことになってしまったのでしょう、
実は次世代省エネ基準では、
以前はC値5.0cm2/m2以下(3地域以南)と定められていました。
でも、平成21年の改正省エネ法で
C値の基準が削除!されたのです。
理由は、
「ほとんどの工法で概ね気密化が図られるようになったから」
と言うものでした。
ですから
C値5.0cm2/m2以下なら
高気密と言っていいんだ
となったわけです。
C値が5と言うのは
120m2の家で言えば
家中の隙間が120x5で600cm2
あることを指しています
これは20cmx30cmの穴が家に開いているのと同じ
1時間にどれだけそこから空気が逃げるかと言うと
風速3m/秒(平均風速です)とすると
1時間に0.86回、家中の空気が変わります。
つまり1時間にほぼ1回
なにもしなくても隙間から空気が
出て行きます。
これでも高気密
C値が2だと
同じ条件で
1時間に0.16回、家中の空気が変わります。
おおよそ5分の1になりますが、
これも同じ高気密です。
上の空気が逃げる量はあくまで漏気
計画的な換気量は含んでいませんから
上の数字に計画換気量
0.5回/時を加えれば
更に多くの空気が入れ替わることになります。
ですから部屋を暖めても
暖房器具を切れば
たちまち寒くなってしまいます。
もっとも家の隙間が多ければ
計画的な換気はできませんから
換気はお天気任せ、
風任せになってしまいますね。
さて、こうなるとQ値はどうなるんでしょう。
Q値は換気による熱損失も入れて計算することになりますが
実は、漏気分は含めて計算する必要はないのです
簡単に計算して見ましょう
貫流による熱損失(床、壁、屋根、窓から逃げる熱量)を
270w/度cとすると
換気による熱損失は
気積x換気回数x比熱
420m3x0.5x0.35=73.5
270+73.5=343.5
床面積を150m2とすると
343.5/150=2.29w/m2度C
Q値2.29となり
次世代省エネ基準4地域の2.7をクリアします。
でも
この家がC値5であれば
漏気分を含めて計算する必要があります。
0.86+0.5=1.36なので
420x1.36x0.35=199.2
270+199.2=469.9
469.9/150=3.13w/m2度C
次世代省エネ基準をはるかにオーバーしてしまいます。
漏気を考慮しないQ値、
参考程度と考えていいのではないでしょうか。
ちなみに漏気を考慮しなくてもいい
C値は0.36以下となります。
それでは
皆さん、また明日

Archive

ご相談予約
資料請求