社長ブログケヤキの木の下で
2014年11月5日
言った者勝ちか 住宅雑誌
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
11月に入って朝の気温も順次下がってきました。
いよいよ食欲の秋、もとい
暖房の季節です。
巷には自称暖かい家が溢れてますが
そんなに暖かい家が溢れてるのに
なぜ、暖かい家を望む人が未だにたくさんいるのか?
住宅雑誌では暖かい家特集なんてのもやってたりします。
答えはおそらく、暖かくない家がおおいからからでしょうね。
じゃあ、なぜ、暖かくないのに、暖かいと称する家が多いのか?
答えは簡単、そのほうが売れるんでしょう(^_^;)
では、何故、売れるのか?
その責任の一端はマスコミ、住宅雑誌にもあります。
工務店やHMの広告で成り立っている住宅雑誌
皆さんも本屋さんで一度は手にとったことがあると思います。
ス○モとか住まいネット○○など
いろいろありますが、
全て掲載されている工務店やHMの掲載料で成り立っているわけですから
クライアントである彼らの宣伝文句にNGを出すことはほとんど無いでしょう。
たとえそれが?満載の暖かい家であっても
掲載料さえ支払えばOK
ネイチャーや科学論文ではありませんから
暖かい家の科学的な根拠など必要ありません、
いわば言ったもの勝ち・・
デザインは写真を見ればそこそこわかりますが
暖かさは写真ではわかりません、
それをそのまま載せているのが住宅雑誌
一般の方向けではなく、実務者向けの雑誌にも
?がいっぱいの記事というかコーナーがあります。
ある実務者向けの雑誌(○○ハウジングプラスワン)の工務店のコンサルタントの言葉
私は日本以外のアメリカ、カナダ、ドイツの建物についても同じように調査しました。
その中では比較的壁の薄いアメリカの2×4ですが
以前渡米した時、壁が薄くても日本の家より断然に体感がよく感じたのです。
理由は建物の屋根・壁に遮熱塗料が施してあったからでした。
更に
ドイツの住宅やアメリカの2×4、カナダのログハウスを引き合いに
どの住宅も日本の高気密高断熱住宅より体感は心地よく感じられました
その理由としては、透湿性や調湿性のある材料を用いることにより
室内の湿度を調整する機能のあること云々~
特にログハウスは調湿性がある上、丸太の比重が重いことから蓄熱機能もあります。
丸太が蓄熱することで周囲の壁が暖かく、それが長時間保たれるのです。
これらを読むと家の暖かさや暮らしやすさは
そうか、遮熱塗料がポイントなんだとか
調湿性も大事だなどと思ってしまいます。
でもこれはあくまで著者の個人的な感想
科学的な実証がされてるわけではありません
こちらも参考にしてください。
著者は調湿についても述べています、
調湿、循環と言った言葉は
住宅に関してはなぜか耳に心地よく響きます。
住宅に関して、調湿という言葉の定義がありませんから
使い放題になりますが
一般に調湿性のある家、あるいは調湿素材という言葉から受ける感覚は
夏の蒸し暑い湿度が高い時には吸湿して過ごしやすく、
また、冬の室内が乾燥している時には放湿して空気をしっとりしてくれる
そんなイメージでしょうか。
でも、現実は違います。
吸放湿する素材
それがログハウスの丸太であれ、
セルローズファイバーの断熱材であれ
人間の都合の良いようには吸放湿してくれません。
物理の法則の基づいて吸放湿するからです。
壁に吸放湿素材が使われていれば
冬、室内が乾燥している時でも
絶対湿度のより低い室外に吸放湿素材を通して水蒸気は放出されます。
夏、エアコンを効かせた絶対湿度の低い室内には
吸放湿素材を通して、
室外から大量の水蒸気が入って来ます。
この水蒸気の移動を止めるのが vapor barrier
防湿層と言われる気密シートなのですが
なぜか日本では自然派の人たちや
新断熱工法と称する人達には嫌われています(^_^)
室内の湿度をコントロールしようとすると
パッシブな形では無理があるように思います。
そのままほかっておいてではなく
機械的な処理が必要でしょう。
珪藻土や漆喰と言った素材も
大気が相手では
気休め程度と考えたほうがいいでしょう。
そう言った気休めを誇張すれば
呼吸する家や暖かい家が大量生産できます。
室内の暖かさに関して言えば
家全体の暖かさのうち
窓から逃げていく暖かさは50%
壁からは20%程度
ストーブやエアコンで部屋を温めても
暖かさの半分はサッシから逃げていきますから
サッシの性能を上げるのが
一番費用対効果があります。
ともすれば面積が広いので
壁の断熱材に目が行きがちですが
暖かい家をお考えの方は
住宅を科学する目が残念ながら今の日本では必要です。
そうすれば
○○断熱だから暖かい!
の前に
どんなサッシ?
となるはずです。
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