社長ブログケヤキの木の下で
2015年9月7日
ZEHロードマップ 家づくりの立脚点をどこに置くか
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
いつまで続くこの雨!
ビールの味も心なし苦くなったこの頃です。
さて、
ZEHロードマップ案のパブリックコメント始まりました。
ご意見のある方は9/17日までに
こちらのHPからどなたでも意見を投稿できます。
同時に中間とりまとめ(案)同じページに発表されてますからご覧になってください。
簡単にコピペしますね。
とりまとめ(案)抜粋
民生部門(家庭部門)は最終エネルギー消費の3割を占め、他部門に比べ増加が顕著であることから、
徹底的な省エネルギーの推進は我が国にとって喫緊の課題となっている。
東日本大震災における電力需給の逼迫や国際情勢の変化によるエネルギー価格の不安定化等を受けて、
エネルギー・セキュリティーの観点から、住宅のエネルギー自給(自立)の必要性が強く認識された。
「エネルギー基本計画」(2014 年4月閣議決定)において、
「住宅については、2020 年までに標準的な新築住宅で、
2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す」
とする政策目標が設定されている。
2015 年7月にとりまとめられた「長期エネルギー需給見通し」においても、
2030 年に達成すべき省エネルギー量を達成するため、
「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及促進等により
高度な省エネルギー性能を有する住宅の普及を推進する」
「今後ZEHを普及させるためには、~中略~
2020 年に大手ハウスメーカー・工務店等が新設する住宅の過半数が
ZEHとなることを目指し、施策を検討する。」
このとりまとめ案、
パブリックコメントとしていろんな意見は聞くけど方向はこちらだよ
そんな雰囲気が滲み出てる取りまとめですね。
上記のロードマップ検討委員会のZEHは経産省、
グリーン化事業(長期優良、低炭素、ゼロエネ補助)は国交省
省益をめぐっても激しいつばぜり合いが行われています。
つまり、
国の方向は住宅の性能向上による家庭での消費エネルギーの削減
それを今後5年~15年で世界トップレベルまでもっていくこと
それを実現するためにエネルギー消費ゼロの住宅を標準とするということになります。
(でも、実はEUではそれが2020年なので日本は10年以上遅れている)
そんな中で一般のこれから住宅を建てようとする方は様々なことを考える必要があります。
いくら補助金が出るのかや税制の優遇措置はどれくらいか
あるいは低炭素住宅や長期優良住宅、ゼロエネハウス・・・
これらに軸足を置いて考えると
いきおい、パネル、蓄電池といった
高性能な設備機器に目が行きがちになります。
もちろん上記のことは検討すべき大事な項目ですが
そこに軸足をおくべきではないと考えます。
大事なのはまだ小さいお子さんや、
まだ見ぬお孫さんに何を残せるのか?
自分の自己満足のためだけに家を建ててきたのが
この50年間の日本の家づくり
世代が変わるたびに住宅ローンを20年以上払って、
払い終わったら家の価値がゼロになっているような暮らしが普通でした。
自分が亡くなればあとは子供達次第・・・
でも、それは日本の歴史の中でもレアケースで一般的ではありません。
古いものを大切にする遺伝子は我々の中にずっと有り続けてきました。
今日、世界的なエネルギーシフトの流れから
家を建てる物差しの一つに性能という分野が加わりました。
従来のデザインやインテリア、国産木材、質感といった目に見えるものから
目に見えない断熱や換気、気密といった性能が加わったのです。
全く同じような外観、内装、設備機器でも
家の性能は天と地ほど違う家が出来上がることになります。
美濃地方で
年間の冷暖房費が10万円、設備機器の更新に20年で50万かかる家(20年で250万)と
冷暖房費が2万円、更新が10万円の家(20年で50万)
1世帯あたりの医療費はこちらが参考になりますが平均して24万必要な家と体に負担のかからない家では随分異なります。
(住環境と健康性の関係について国は大規模な調査を立ち上げていますので詳細な比較はまだありませんが
近大の岩前先生のデータなどからかなり削減できると思われます)
つまり、住宅の性能の差はその家で住む燃費と医療費に直結することになります。
どんな住宅を子供たちに残さなければならないか?
家を建てる時の立脚点をどこに置くのか?
極論すれば自己満足かご自分の子や孫かということになります。
燃費のかかる家がまだまだ作り続けられますが
それではいつまで経っても原発はなくなりません。
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