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社長ブログケヤキの木の下で

2021年2月5日

冷輻射


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は雪が舞うほど寒かった美濃地方ですが、
今日は晴れて暖かくなりそうです。
とは言うものの、今現在は氷点下1.5度。
私の席は事務所の北西角です。
北側と西側は大きな開口の窓、
幅は2.7mで高さは1m以上あります。
事務所内は薪ストーブを焚いてますが
私の席が一番寒いところになります。
昨日も新築を検討中の方とZOOMの打合せを私の席でしたのですが、
同席したスタッフが
「この席、寒い… 私の席と全然違いますね」
窓は単板ガラスの木製。
木製と言っても木製サッシではなく、
単に木で作ってあるという昔ながら?の窓ですから
隙間もありますし、冷気も下りてきます。
その窓が1mしか離れていないところに
私を囲むようにあるのですから、
寒いのは当たり前なんですね。
輻射熱と言うのを聞いたことがあると思いますが、
これは熱が電磁波の形で放射されていることを言います。
私の体も36.5度の熱を電磁波の形で放射しているのですが
私を囲むガラス窓も昨日は外気が6度でしたから、
それくらいの熱を電磁波として放射してます。
そうすると私は36.5度の電磁波を出して
6度の電磁波を受けるので、
36.5-6=30.5度の熱の持ち出しになります。
でもスタッフの席の後ろは本棚で
その奥にも部屋がありますから、
背中の本棚の温度は20度近くあるはずです。
熱のやり取りは16.5度の持ち出しですが
私の半分程度で済んでいます。
事務所内の室温をほぼ同じと考えれば、
私の席が寒いと感じるのもお分かりいただけると思います。
身近なところでは
放射冷却と言うのがあります。
放射冷却で今朝は良く冷えているというのは、
マイナス200度近くの宇宙と地面の熱のやり取りでは
地面がどんどん冷やされて霜が降りたり
霜柱がたったりします。
車を屋外に置いておけば
フロントガラスと宇宙の熱のやり取りで、
ガラスが冷やされ、そしてガラス表面の空気が冷やされ
冷やされた空気の水蒸気が結露しそして氷結します。
でもカーポートのように屋根があると
フロントガラスは直接宇宙と対峙することにはなりませんから、
霜が降りることはありません。
あなたの家の屋根も
宇宙と熱のやり取りをしてます。
屋根もどんどん冷やされます。
熱は水とおなじで高いところから低いところに流れていきます。
エアコンやファンヒーターで温めた熱も
屋根が冷やされればそちらに移動していきます。
移動するスピードを遅くするのが断熱材ですから
住まいの断熱材はできるだけ厚くしたいものです。
もちろん夏は冬とは逆のことがおこります。
触ることもできないくらい熱せられた屋根から
エアコンで冷やされた室内に熱は移動してこようとします。
空気は28度になっても天井の表面温度が33度では、
涼しさは半減、エアコンで冷やしても日中は部屋にはいられない…
最近は平家建ての家がブームですが、
他人事ながら屋根や天井の断熱材の厚みが気になります。
さて、
私の席で言えば
せめてもう少し性能の良いガラスにするか
厚手のカーテンを付ける
くらいでしょうか…
後から何かしようとすると方法は限られますし、
根本的な対策を取ろうとするとお金がかかります。

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