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社長ブログケヤキの木の下で

2021年6月14日

お役所の計算では・・・


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
雨で少し肌寒い美濃地方です。
空が明るいところもありますから
そんなに降らないんじゃないかと期待してます。
G7サミットがイギリスで開かれてますが
脱炭素化の流れは共通認識のようで、
国内でもそんな動きが順次出てきています。
先日PHJの理事の竹内さんがFBで
長野県のゼロカーボン戦略を紹介してました。
長野県の資料​によると
2030年にはすべての建築物(住宅、工場、ビル等)でゼロエネルギーを目標にすると言うもの。
住宅については​信州型健康ゼロエネ住宅​(仮称)が検討されています。
地方の自治体によるこの動きは
既に始まっていて
札幌を筆頭​に
やまがた健康住宅
とっとり健康省エネ住宅
等がありますが、
これらの自治体以外でも既に取り組んでいるところがあるかもしれません。
性能等の基準は地域差がありますが、
認定制度と補助制度の二つの制度から成り立っています。
住まい手の方にとっては
この補助制度が一番の関心事。
信州型ではまだ検討中のようですが、
この補助制度が自分にとってどれだけプラスになるのかを
明確に伝えないと制度はうまく機能しません。
複雑でどれだけメリットがあるかよくわからないではNGですが、
行政の補助金制度となると
税金を投入するからといことで、
がんじがらめのものも多くあります。
信州型では
一般の方にアンケートを取っていて、
住宅の脱炭素化に向けていくらまでなら建設費を上乗せできるか?
50万までが31.8%
100万までが30.3%
200万までが24.3%
300万まで8.6%
400万まで1.6%
500万まで1.2%
600万まで2.2%
60%の方が100万までと言うことですが
長野県は住宅新築時にZEHを選択した場合、
建設費+400万~500万、光熱費削減-30万/年、17年で回収と試算してます。
(上記の建設費が国の省エネ基準で建てた時の金額か長野県の平均的な住宅の建設費なのかは不明)
どちらにしても
400~500万プラスと言うことは、
県民の6割が考えている100万程度とは
かなりの差があります。
県は年間30万光熱費が削減できるから
500万建設費が増えても17年で回収できると言いますが、
500万建設費が増えれば
ローンの返済は35年返済で年間18万増えます。
住まい手の感覚では30万削減じゃなくて12万削減、
回収には42年では?と考える人も出てきます。
野心的な目標や2030年に向けたロードマップも大切ですが、
実現に向けては相当程度思い切った施策が必要です。
住まい手の意識と行政が実現させようといている住まいでは、
金額的なギャップがあり過ぎます。
そもそも
建設費+400万~500万でZEHと言う表現が
物事をあいまいにしていて、
回収年数や負担増の金額ばかりに目が行きます。
もっと簡単に例えば
県で30坪のモデル住宅を作って
このモデル通りの仕様なら建設費は○○で100万補助金が出てZEHになる。
そんなモデルを作れば
住まい手にとってははるかに分かり易い。
回収に何年かかるとか、Ua値がとかG2だとか何も意識せず、
総額でいくらだから自分達で払える金額かどうかを判断するだけで済みます。
ある意味パッケージ化ですが
パッケージの種類を多く用意しておけば、
住まい手の選択肢は広がります。
県産材で作るZEHであるとか
伝統的な信州家屋のデザインであるとか
考えればいくらでも出てきます。
温暖化ガスの削減については
世界の潮流や国の方針などが明確ですから、
地方の自治体もそれに追随する動きが今後も出てくると予想されます。
温暖化ガスを出さないという意識が一般化するには時間がかかります。
ひなびた人参をぶら下げられても人は動きません。
それで動かないなら別の方法を考えるしかありません。
2030年なんてすぐそこです。

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