社長ブログケヤキの木の下で
2015年4月3日
藁葺き屋根の家の解体工事
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
しばらく雨が続くようで
現場作業の工程に影響が出そうです。
一宮市の藁葺き屋根の家
屋根の骨組みを残して雨養生ができました。
本来、再生の解体工事なので
小屋組も取り払うのですが
内部の梁や差し鴨居はそのまま利用するので
雨に当てたくない。
ブルーシートで養生する関係上
支える骨組みがないと吹き上げられて飛んで行ってしまうので
小屋の骨組みを残しておくことになります。
雨養生をしておいて
残った土壁を撤去します。
どこかのテレビ番組のように
貫を切って派手に倒したり、掛矢で叩いて壊したりはしません。
丁寧に土を取り除き、
骨組みの竹と土を分けて解体します。
1階の床はフラットで作業のし易い足場になりますし、
土壁を落とした時の土も床下の土と混じりませんから
最後に取り外します。
土壁と竹を取り除くと
壁の中の貫が残ります。
柱と柱の間を横になって繋がっているのが貫
古い建物で
筋交いなんてものはありません。
耐力は土壁
これは固まった土と編んである竹
それにこの貫で成り立っています。
特にこの貫が重要で
込み栓を入れて固く固定してあります。
貫は建物の横揺れに対しての踏ん張りとなります。
昔の人も筋交いは当然知っていましたが
大きな揺れに対してはその筋交いが弱いことも知っていました。
中越地震では雪国の小千谷地区の筋交いの多くが折れて飛んでいます。
つまり圧縮方向に対して筋交いが折れることを
折れれば役にたたなくなることを理解した上での
土壁の貫工法です。
この建物は基礎を新たに作りますが
基礎工事中の建物の強度も確保しなければなりません。
倒れないように補強をする必要があるわけで
基礎が完成するまで
この貫もそのまま残しておきます。
今月半ばから
基礎工事の予定ですので
工事が始まったら
また報告しますね。
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