社長ブログケヤキの木の下で
2024年8月21日
朝日が持ってくる熱
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
一昨日、昨日と
最高気温がようやく35度を切りました。
特に昨日は朝から雨でしたから、
湿度はありながらも暑さの峠は越えたかに感じました。
ただ、午後からは晴れて
今日は再び連日の暑さが戻ってくるようです。
- さて、立秋は8月7日
まさにこれから夏本番の暑さが始まる頃ですが
暦の上では秋
なんとなくズレてると感じてる方も
多いと思います。
太陽高度が一番高くなる夏至は6月21日ですから
既に2か月余り経って、
日が沈むのも早くなっていますが
室内に入り込む日差しはまだまだ大敵です。
特に朝夕の日差しは真横から入りますから、
朝は東
夕方は西の日射遮蔽は欠かせません。
この時間(朝6時)でも
窓からどれだけの熱が入ってくるか?
日射計(ソーラーパワーメーター)で計測すると
約300~320w(ワット)/m2
1m2当たりですから
幅が1.6mx高さが1mの
引違い窓(腰窓)からは
320x(1.6x1)=576wの熱が入ってきます。
掃出しサッシは幅1.6mx高さ2.0m
3.2m2の面積ですから
320Wx3.2m2=1024w
6畳用エアコンは2200Wの - 暖房能力がありますから
朝、東に向いた掃出しサッシが二つあるとすると、
何もしなければ6畳用エアコンで
暖房しているのと同じになります。
もちろん、夕方西に向いた窓があればそれも同じです。 - でも東向きの窓からの熱は
夜間外気が冷やされた朝なので
室内の温度も日中程高くはありませんが、
西向き窓からの熱は
日中さんざん暑くなった
外気と室内に入り込む熱ですから
西日の方が遥かに強烈に感じます。
- 冷房負荷を計算する時、
窓からの日射取得を考慮しますが
南面の窓は最大150w
東西の窓は同300w
この数字に日射遮蔽の割合が
どれだけかを乗じて計算します。
南面の場合太陽高度が高いので
(日射の入射角度が急になるので)
南の窓からの日射取得は東西より少なくなります。
庇や軒があれば
入射する範囲も狭くなりますから、
取得も少なくなります。
一般に日射遮蔽と言うと南の窓を考えがちですが、
実は東西の窓の日射対策はとても重要です。
古い農家の切妻の家などは
西側はたいてい床の間や
仏間、押入れで全て土壁
東側もほとんどが壁です。
通風は南北に掃出しや
縁側を設けて確保してました。
エアコンの無い時代ですから
東西の日射を防ぐ、理にかなった作りになっています。
- 現代ではエアコンの冷房や日射遮蔽もできます。
- どの部屋が
どれだけの冷房負荷があるか
計算もできますが、
家全体は計算しても
個別の部屋までとなると設計者次第。
Ua値や断熱性能等級がいくら良くても
暑い部屋ができますし、
暑いだろうからとエアコンを入れれば
夏なのに寒い部屋が出来てしまいます。
経験や勘、Ua値や等級に頼るのではなく、
きちんとした計算が求められる時代になりました。
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