社長ブログケヤキの木の下で
2024年10月28日
能登半島地震の被害報告の報告は必須
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
今週は雨模様の様、朝から雨です。
台風も発生しているようで動きが気になります。
- お正月に発生した能登半島地震の被害の調査が進んでいます。
その報告会や研修会が、最近開かれるようになりました。
既に地震から10か月以上経過してます。
実際の被害がどれほどか
JBN(全国工務店協会)が今回開く研修会の資料によると
全壊6.421棟
半壊22.823棟
一部破損103.768棟
この数字を見ると
改めて被害を受けた棟数の多さに驚きを禁じえません。
講師は㈱山辺構造設計事務所の山辺豊彦さん
MOKスクールでも講師をされていますし、
木造の構造の大家でもあります。
山辺さんが実際に被災地を回り、
住宅の被害状況や
どうして倒壊したかなどの実例を
踏まえて解説される講習です。
- 熊本地震の時もそうでしたが、
古い家ばかりが被害を受けているわけではありません。
熊本地震では
1981年の新耐震基準
2000年の耐震基準でも
被害を受けた家が多くあります。
国交書の報告によると
1981年の新耐震基準では8割
2000年の耐震基準でも4割が
何らかの被害を受けています。
能登半島地震の被害を受けた家についても
熊本地震と同様、今後詳細な被害報告が
国交省から出ると思われますが
耐震基準別の被害の割合は
それほど違いはないでしょう。
ただ、一般の方に知っていただきたいのは
耐震基準には等級があることです。
単に現行の基準を
満たしているだけの基準もあれば、
それを上回る基準もあります。
等級1から等級3までありますが、
更にその等級の出し方も
各種の計算方法があるという
一般の方にとっては
とても分かり難いものになっています。
- 設計者があるいは依頼しているHMや工務店が、
耐震についてどう考えているかで
選ばれる基準は異なります。
私の設計では耐震等級3だけど、
第三者機関の認定を
取ってるわけではないので
確認申請書上では等級1です。(耐震等級3相当)
実はこういうことも十分あり得ます。
許容応力度計算(構造計算)をして
耐震等級3にしても、
1坪分の金額には届きません。
31坪の広さの家を
30坪にすれば
お釣りがくると言うことになります。
- 今回のJBNの講習では
・能登半島地震での建物被害の状況
・倒壊した住宅の原因追及
・構造計画のポイント解説
講習の内容は設計者にとって
非常に有意義なものになっています。
構造塾の佐藤さんも
各地で今回の地震について講習をされています。
構造が専門の先生方のこれらの講習は、
一般の住宅設計者には必須の講習と考えます。
- P.S.
最近は平屋の家が人気で平屋専門の工務店もあるとか。
来年2025年には建築基準法が改正されて
4号特例が縮小され、
木造住宅の構造の審査が厳格になりますが
実は、200m2以下の平屋は適用外。
200m2なんて60坪以上ですから
そこまでの広さの平屋を建てるケースは
日本中でもごく少数・・・
平屋で住まいを検討される方は
適用外だからしなくていいではないんですね。
ちゃんと構造の確認が
設計者側でしてあることが前提で、
その確認まではしませんと言うことなんです。
なので、ご自分で設計者に確認するしかありません。
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