社長ブログケヤキの木の下で
2022年9月28日
シャッター考
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
9月も残すところ数日ですが、毎週のように台風が発生しています。
幸い今年の美濃地方は直撃を免れていますが、
それは偶々の事で、直撃の可能性は日本中どこでもあります。
住まいの設計をする時、台風対策はどうするかは常に意識しています。
外観のデザインとのバランスも意識する必要がありますから、
悩ましいところです。
何も考えなければ、
シャッターを設置してしまえば簡単に解決しますが、
住まいの外観とシャッターが合わない時にどうするか?
アメリカでもハリケーンや竜巻が発生しますが、
住宅の窓に日本の住宅のようなシャッターは付いていません。
多くはデザインも考慮した観音開きの雨戸です。
ただこれも日本のシャッターのように付いているかというと、それほど多くもありません。
日本の住宅の外観についていえば、シャッターありきというか
シャッターの似合う家を基本に外観を設計しているように感じます。
大手のHMだけでなく、
ローコストメーカーも地場の工務店の多くも、
その外観の設計の基本姿勢はシャッターで違和感のない家。
あるいはシャッターの似合う家となります。
必然的に外観は無機質なモダン、
あるいは外壁はサイディングとなって、
そこには日本の伝統的な建築文化は感じられません。
そうなると室内のデザインも無国籍で
ホテルライクなデザインというパターンになります。
紙太材木店としてはより多くの方に
日本の建築文化に誇りをもって頂きたいですし、
それを大切にして頂きたいと思っています。
もちろん生活文化は変化していきますから、
昔と同じようにという訳にはいきません。
日本人として住宅人として建築文化に携わる以上、
住まいの設計には日本らしさというものを取り入れていきたいと思っています。
日本の家と台風対策。
この切っても切れない関係の中で、
日本の建築文化をどう残すかは、
設計者だけでなく住まい手にも問われています。
高山や白川郷、妻籠や馬籠といった古い町並みが残っているところには
日本人だけでなく、海外からも多くの人が訪れます。
最近建てられた家が多くある新興の住宅団地を見学に行く人は、ほとんどいません。
それはある意味、そんな町並みにはなんの魅力も感じないから。
しかし自分が設計する時、あるいは自分が家を建てる時の外観は、
思考力停止で同じような外観にしてしまう人が多い。
どんな外観にするかは人それぞれですが
思考停止で右へ倣えではなく、
ちょっと立ち止まって考えることも大切です。
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