社長ブログケヤキの木の下で
2023年6月12日
目で見る季節 家の中で
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
朝から雨の美濃地方
事務所のコンクリートの土間は
結露で湿っています。
床と壁の際で
入隅の空気の動かないところが
目につきますが、
壁から離れた空気の動くところでは
その現象は見られません。
さて、衝立(ついたて)
先日の建具の衣替えに合わせて
衝立も夏用のものに変えました。
壁や建具で仕切ってしまうのではなく、
部屋を緩やかに区切ったり
視線がその先に届かなくする役割があります。
今風の言葉で言えば
パーテーションですが、
打合せコーナーなどで使われる仕切りとは
全くの別物です。
もちろん、屏風とは趣や役割が異なります。
現代の住まいでは
とんとお目にかかりませんから
想像しにくいかもしれませんが
昭和以前の家では今も現役というケースが
多いと思われます。
例えば
玄関が土間で、奥に続く通り土間があって
土間を通る時、家の奥が見えないように置くとか
玄関は来客用と普段使いの二つあって
普段は使わない来客用の玄関に置いたり
もちろん使い方は様々なので
夏には二間続きの和室の建具は取り外したり
開けたままにして
間に置くとかいろいろあります。
簀戸と同じで
衝立が夏用のものに代わることで、
住まいの中は夏仕様に変わり
夏を目で見ることができます。
この住まいを夏仕様、
冬仕様(秋冬春)にする建築文化は
私の知る限り日本独自のもので
ある意味cool japan。
温故知新ではありませんが、
残していきたい文化です。
問題は、現代の住まいではどうするの?
簀戸については
引込み戸にすれば保管場所に頭を痛めることや
入れ替えの煩わしさはありません。
衝立は?
足の付いた衝立では場所を取りますが
屏風のように折りたためるタイプなら
場所はそれほど取りません。
悩みはどんなシーンで使うか?
思いつくのは
リビングに続く畳コーナーとの仕切りや
ダイニングとリビングの緩やかな仕切り
最近はLDK一体と言うケースも多くありますが
食卓とリビングを一体の続きの空間にすることに
心理的な抵抗のある方もおられます。
このダイニングとリビングの
穏やかな仕切りは
家具やローボードでというのもありですが、
それは広さに若干の余裕があるケース。
多くの場合、
家具を置くほどの余裕がなかなか取れません。
家具を置けばその前に立つスペースも必要になります。
背中にダイニングの椅子や
リビングのソファーが間近にとなると
詰め込みすぎの野暮な空間に…
と言うことで、
スペースが無ければ
衝立でもいいんじゃないでしょうか。
そこで問われるのはデザイン。
出来れば夏用とそれ以外の季節に分けたいものです。
通年ものでは季節感が出ませんから、
ちょっと寂しい気が…
入れ替えの煩わしさや
保管場所の工夫などありますし、
どんなデザインにするかで
センスも問われます。
でも、高性能な家になって
家の中は夏でも涼しくなっても、
季節の移り変わりを
目で見ることができる住まいなら
心をちょっぴり豊かにしてくれるような気がします。
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