社長ブログケヤキの木の下で
2023年6月28日
正論
端材は薪ストーブに
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
本日は青空も見えますが、微妙な空模様…
梅雨なんだからさっさと降って、
早く明けて欲しいものです。
2025年大阪で関西万博が開催されますが、
先日の報道では
建物の入札に参加する業者がいなかったとか。
行政側の積算が
現状の資材や手間の高騰に、
追い付いていないものと思われます。
入札に参加したけれど
落札できなかったということではなく、
そもそも最初から
入札に参加する業者がいない訳ですから
関西万博、本当に開催できるのかと
心配になってしまいます。
(想定される落札価格が低すぎて
落札しても赤字が目に見えている、
そんな状況では見積するのすら経費が掛かるから
止めておこう)
建設資材や労賃の高騰
食料品の値上げなど
あらゆる業種に及んでいますが、
なぜだか自分の給料は上がらないと
思っている方も多いと思いますが、
順番だと思うしかありません。
そんな中
インボイス制度がいよいよ開始されます。
職人さんにとっては、
働く意欲を挫かれる制度になるのではと
心配してます。
職人さんは多くは個人事業主。
現場で事故にあっても
元請けの労災保険は使えず、
自身で入っている必要があります。
多くは1000万以下の免税事業者なので
消費税の支払いはありません。
そこにインボイス制度です。
400万の収入があっても
従来なら消費税は払う必要がありませんでしたが
インボイス制度の下では、
40万円の税金の支払いが発生します。
手取りは360万になります。
手取りの10%がそのまま消費税として
出ていくわけですから、
10%の給与ダウン。
本来受け取っている消費税を
払っていなかっただけなのだから
払うことになるのに何の不都合がと言うのは
たしかに正論です。
じゃあなぜ今まで免税だったのか?
表向きは煩雑な消費税処理が
零細個人事業主(職人)には負担になるというものでしたが、
実際は職人さんの手取り収入を勘案すれば
消費税を免除すべきだろうというのが
消費税導入当初の判断。
免税措置は当初3000万だったのが、
1000万になり、
今回のインボイス制度の導入となりました。
1000万以下の収入で免税されているから、
その分の消費税は収入に合算されて
生活費に組み込まれていることは
容易に想像できます。
大工さんの平均年収は400~480万と言われてますが
労災など各種の保険が必要ですし、
年金も国民年金で一般の給与所得者とは異なります。
もちろん各種経費は全て自分持ちです。
その中から10%収入が減るというのが
どんな意味を持つのか容易に想像できます。
正論では消費税を払っているんだから
何の問題無しですが、
実態は問題無しなんてことはありません。
工務店の多くが
その対応に苦慮しているのが実情です。
HMは直接職人を雇用しているわけでは無く、
間に工務店がいますから
この問題は他人事ですが、
影響は徐々に確実に出てくるものと思われます。
ただでさえ、職人が不足している現状。
日本の建築文化を残すには
あるいは
今建てられている家を改装したり、
リフォームをするには職人さんは不可欠の存在です。
日本の将来の住まいを考えるなら
職人さんの収入を上げる施策が国には求められます。
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