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社長ブログケヤキの木の下で

2023年4月10日

天井のあるお風呂


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝は5度を切る寒さ…
日中は暖かくなりそうですが、
それまでは暖房必須の時間帯となりそうです。
今月のアーキテクトビルダーは
「高性能住宅のための結露、湿害 超Q&A」
日経ホームビルダー亡き後
建築知識ビルダーズとともに、
工務店や設計事務所にとっては
無くてはならない雑誌となりました。
その中に浴室の循環ファンの記事がありました。
夏の湿度を効果的に下げる手法です。
緑の家の浅間さんが、
ブログで公開しているものを解説しています。
一般に1種の全熱交換機を設置していても
お風呂やトイレの換気経路は、
全熱交換機の換気ルートとは別物。
つまり、
お風呂やトイレは従来通りの
壁付け換気扇(局所換気)で独立してますから
(熱交換機の交換素子が紙製のため)
換気扇を回せばダイレクトに外気が入ってきます。
その外気は当然、
全熱交換されていないもの。
記事では
浴室の局所換気による熱損失を2160kj/h
(排気量120m3/h)
エンタルピー差を15j/Kgとすると
15j/Kg÷0.83x120m3=2168.6
と計算しています。
外気:温度29度 湿度70% エンタルピー75KJ/KG

室内:温度28度 湿度55% エンタルピー60Kj/KG
2160kjをワットに変換すると
600w
お風呂の換気扇を1時間回すと
600wの熱負荷と言うわけです。
しかもそのなかで潜熱負荷は計算すると
凡そ500Wですから
20%が顕熱負荷で
残りの80%が潜熱負荷と言うことになります。

住まい手の中には
お風呂にはカビを発生させたくない
早く乾燥させたいと
24時間換気扇を回す方も
それなりにいます。
トイレも同様ですし、
ここに台所も加わります。
つまり
一種の全熱交換機を使っていても
全熱交換機を通らない。
高湿高温な空気が大量に
入ってくることになります。
このことについては既にさとるパパさんが
3年ほど前にブログに書いていますので
詳しく知りたい方は、
下記を参考になさってください。
さとるパパの住宅論
https://www.2x6satoru.com/article/ichibudake.html
それでは、どうするか?
と言うことの一つの解が
サーキュレーションファンと
全熱交換機。
再熱除湿エアコンを組み合わせて
利用するというものです。
簡単に言うと
夏や梅雨時の浴室の水蒸気を
上記の三つを組み合わせて、
処理をするということになります。
浴室に取り付けた
サーキュレーションファンで
水蒸気を浴室から排出し、
それをエアコンにぶつけ
エアコンの内部で結露させ
室外に排出する。
取りこぼした分は
全熱交換機で処理するということになります。
原理が分かれば、
夏や梅雨時の浴室の水蒸気の処理の手法は様々で
設計者が工夫を凝らす余地が出てきます。
この浴室の水蒸気は
カビの発生原因ともなりますから
カビ対策としても有効と言えますし、
冬季には浴室の水蒸気を利用した
加湿器としての役割も期待できることになります。
昨日、肥田瀬の家の完成見学会だったのですが
来られた方が、ツイッターで天井の無いお風呂が
話題になってますとお聞きしました。
これなども浴室の水蒸気の処理、
あるいは利用のための設計手法で
天井の無いお風呂と言う言葉が
注目を集め独り歩きをしていると
思われます。
動力であるサーキュレーションファンを使うか
あるいは浴室に開口を設置し、
自然な流れで水蒸気を処理や利用をするかの
違いです。
紙太材木店でも
サーキュレーションファンや
シーリングファン
あるいは浴室の開口(天井が無い?)を
利用しますが、
それは個々の家の状況に合わせて
使い分けています。
夏や梅雨時の浴室の水蒸気の処理。
あるいは冬の乾燥対策としての
浴室の水蒸気の利用。
まだまだ一般的ではありませんが、
今回アーキテクトビルダーで記事になったことで
多くの設計者や工務店が
その必要性と方法を知るところとなりました。
新築を検討される方は
お風呂のカビ対策や
水蒸気の処理や利用の方法と言ったことを
設計者と相談してみてください。
一種の全熱交換機さえあれば
一年中快適と言うわけではありません。​​​​

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