社長ブログケヤキの木の下で
2013年7月15日
夏は土壁の家が涼しい
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
先週の暑さも峠を越えたように感じますが
それでもまだ日中は34~35度
事務所のエアコンを何時に動かすか
迷うところです。
さて、
日本の昔の家は土壁でできていました。
その厚みは4cm〜6cm
今の住宅の壁はプラスターボードと言って
石膏の板が貼ってあって厚みは1.2cmほど
その厚みの差でどういう違いが出るかというと
空気の温度で
1.2cm厚のプラスターボードの表面は
すぐに暖かくなり、
室内気温に近い温度になります。
室内が32度なら32度という具合に
一方
土壁の場合は質量がプラスターボードの4~5倍ありますから
室内空気が32度でも
土壁の表面はせいぜい29度程度
体感気温は
室内の気温と壁や床の表面温度を足して2で割ったもの
というわけで
土壁の家のほうがプラスターボードの家よりも涼しく感じます。
夜間23度~25度に冷やされる土壁を温めようとすると
夏の暑さをもってしても容易ではありません。
神戸芸術工科大学の小玉祐一郎先生が
30年ほど前にパッシブデザインの家
(ご自宅ですが)
「つくばの家」を作られました。
(先月、小玉先生の話を聞く機会がありました)
夏の体感気温を下げるため
コンクリート造りですから
確かに膨大な質量があって夏は過ごし易い
冬は薪ストーブでそのコンクリートを温め
これまた快適とのこと
(もちろん日射の遮蔽の工夫や夜間換気など
様々なパッシブな工夫がしてあります。)
ただし質量がありすぎると
冬の暖かさを確保するには
これまた膨大なエネルギーが必要になります。
つまりコンクリート造では質量がありすぎるわけで
児玉先生自身もそうおっしゃっていました。
というわけで
これからのパッシブな住宅のひとつの可能性として
夏の暑さ対策である蓄冷、
冬の寒さ対策の蓄熱と加湿を考えた
土壁の家がありです。
もちろん、断熱と気密に換気が必須事項
これを満たした上での住宅ということになりますし
土壁に断熱をした場合は
結露ポイントの計算ができなければなりません。
新住協、恵那の金子建築工業さんでは
そのモデルもあります。
形は既に出来上がってますから
エネルギーをなるべく使わないで
夏を過ごしたい方にはお勧めです。
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