社長ブログケヤキの木の下で
2015年1月14日
冬の室内温度の目標値を決める
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
11月に受けていた
福祉住環境コーディネーターの試験結果の通知が来ました。
以前FBでもお話しましたが、
・アテローム血栓性脳梗塞とは、脳内奥深くの細い血管が・・・
・ホーン・ヤールによるパーキンソン病の重症度分類のステージV度では・・
なんていう専門外の試験勉強で
脳みそがフリーズしてしまったのですが
1日17時間の勉強の甲斐あってかなんとか合格しました。
自己診断では全く歯が立たずと感じて、
来年本腰を入れなければと覚悟をしていたのですが
自分でも驚きの結果でした(^_^)
さて、全館暖房という言葉をお聞きになったことがあると思いますが
多くの方は今までのご自分の住まいと経験から判断して
そんなのは現実的ではないと感じています。
そんなことをすればひと冬の暖房費がいくらかかるか
想像すらできないと。
リビングだけでなくキッチンも廊下も寝室も
子供室もさらにトイレや洗面室、お風呂までが暖房されてる状態です。
このように
家中全て暖房した時にひと冬いくらかかるか?
ということが
今では全て計算で求められます。
大きく分けると次の5つがわかると計算できます。
・どんな断熱材をどれくらいの厚さで床、壁、天井、屋根に使うか
・どんな性能のサッシを使うか
・換気システムは何か
・気密性能はどれくらいか
・冷暖房機器は何を使うか
つまり
断熱、気密、換気、冷暖房システムといった
住宅の基本性能の善し悪しが
冷暖房費にいくら必要な家なのかということに
直結しているということになります。
その中で冷暖房機器にどんなものを使うと
購入者のコストと満足度を満たすかというと
圧倒的にエアコンに軍配があがります。
詳しい説明は省略しますが
消費するエネルギーに対して得られるエネルギがーが
圧倒的にヒートポンプが優れているからです。
ただし、前回もお話しましたが
断熱性や気密性が低いとエアコンだけでは暖房できません。
今までの日本の住宅は断熱に関して言えば
発展途上国状態というのが真相です
これは断熱材だけでなく
サッシも含みますし
供給側も消費者の意識も同様でした。
一般の方の要望というのは
暖かい家がいいというのが圧倒的ですが
非常に感覚的なご要望になります。
それに対して設計者がQ値2.7(次世代基準)で十分かな?
いやそれじゃ寒そうだし全館暖房するなら1.5くらいかななどと考えると
これまた感覚的な設計になってしまいます。
必要なのは
例えば
・家中暖房してひと冬いくらの暖房費かかるか
・一番暖房費のかかる1月の暖房費をいくらにしたいか
・室内環境を冬に22度にしたときひと冬の暖房費をいくらにしたいか
これらを押さえて同時に予算的なことを考慮して設計すると
合理性のある仕様ということになります。
設計者、工務店は
感覚的なお客様のご要望を
感覚的に設計するのではなく
冬の室内温度の目標値を決め
合理性のある設計にしなければなりません。
でなければいつまでたっても寒い家が量産されていくことになります。
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