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社長ブログケヤキの木の下で

2021年12月10日

風量計

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おはようございます、
紙太材木店の田原です。
一昨日は全館空調設計講座で京都。
高橋工務店さんの自宅で講義と実測でした。
ガデリウスの熱交換換気扇が取り付けられてます。
大人の男ばかり9人ですから
それなりの熱が出ていて、
9人で凡そ顕熱で576w、潜熱で306w、
合計900w弱になります。
2.2Kwの6畳用のエアコンの定格消費電力は
500W程度でCOPは4ちょっとですが、

生身の人間ですからCOPはありません。
0.9kwですから
簡単に言うとそこにいる人だけで、
3畳用のエアコンが稼働していると思っていいでしょう。
(そんなのはありませんが)
加えて、プロジェクターやTV、各自のパソコン、冷蔵庫などで900Wくらいありますから
やはり2KWくらいはありそうです。
住まいは
C値は0.2 Q値0.95 Ua値0.3
こんな家にも人が9人もいると暑いんですね。
というわけで


キッチンの換気扇を稼働させてました。

写真は同時給排の換気扇なので、
どれくらい給気されてるか実測してるところです。

測っている機器は風量計です。
面積と風速から1時間当たりの給気量を計算します。
取説には給気量や排気量は出てますがそれは計算上での数字。
自動車の燃費と同じで、
実際はどうなのかは計測しなければ分かりません。
オタクなメンバーが多いですから
実はこの風速計が気になってる人が多い。
 VelociCalcの風速計
ケストレルとかを持ってる実務者は多いのですが、
この計測器はなかなかお目にかかれません。
0.01m/sの風速
つまり毎秒1センチの風速まで測れます。
吹抜けや階段からどれくらいの空気が下りてくるか
あるいは上がっているか
サッシの表面ガラスからどれくらいのコールドドラフトが下りているか
室内に入ってくる冷気の量が分かります。
欲しくなるんですね。
しかしこの手のものはそれなりのお値段がするわけで
おいそれとポチッとはできません。
なぜ、こんなことをしているかというと
住まいの熱負荷を計算するためです。
住まいの熱の出入りはどうなっているかがわからなければ、
適切な冷暖房設備がわかりません。
この場合の熱とは顕熱と潜熱の両方を指します。

最近の多くの高性能住宅で起こっているのは、
夏に室内が寒くて蒸し蒸しする
あるいは全熱交換機なのに湿度が思ったより下がらない。
Ua値をよくすればよくするほど起こってくる可能性があります。
これは潜熱の仕業なのですが、
Q値でもUa値でもそこはスルーですから
その数字だけ見ていては解決できません。
加えてエアコンもCOPやAPFの数字だけ見ていると
落とし穴がありますから悩ましいところ。
住まいの性能が良くなるほど
従来問題でもなかった小さな問題が大きくなります。
一年を通して暮らし易い家というのは、
言葉で言うほど簡単ではありません。
そのためには、
あの風量計・・・

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