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社長ブログケヤキの木の下で

2022年8月26日

冷房負荷


​​ リノベーションでも、耐震・断熱気密改修。​​
おはようございます、​

紙太材木店の田原です。
今朝の美濃地方は23度95%
昨日の雨の湿気がそのまま残ったイメージです。
前回、大阪での勉強会で冷暖房負荷の事を話しましたが、
この時期の冷房負荷についてです。
ほとんどの方がエアコンで冷房されます。
エアコン冷房の機能は温度を下げることと、
湿度を取ることの二つです。
温度を下げると湿度も結露されて取れるということは
空気の中に水蒸気が混ざっているからで、
この二つを一体で考えて
冷房負荷がどれだけあるかを考える必要があります。

この二つと言うのは
水蒸気と言う気体とそれ以外の気体(窒素や酸素、二酸化炭素など)で
合わせて空気とします。
この時、
温度を下げるための負荷を顕熱負荷、
湿度を下げるための負荷を潜熱負荷と言います。
この顕熱負荷と潜熱負荷は換気によって生じる負荷で、
全体の冷房負荷の一部になります。
つまりこれ以外にも冷房負荷がありますが、
二つに分けて考えると分かりやすくなります。
二つとは顕熱と潜熱です。
顕熱側は
最初に、人です。
体温36度で60Kgほどありますから熱が出ています。
同時にこの人は発汗したりして水蒸気も出していますから、
人の場合、顕熱と潜熱の二つに分け、
顕熱側でどれだけ熱が出ているか
一人なのか、5人なのか、何人で住んでいるのかで変わってきます。
次に内部発熱。これはTVや待機電力、冷蔵庫、照明器具などの設備機器。
三つめが日射取得。
南の窓、東西の窓それぞれからどれだけのエネルギーが入ってくるか。
遮蔽は何でしているかで、その割合が変わってきます。
南の窓は太陽高度が高いので庇などで加減ができますが、
東西の窓は庇では無理ですから、別の方法で検討する必要があります。
四つ目が、外皮でUa値から計算します。
これらを合計したのが顕熱負荷となります。
そして最後に換気による顕熱負荷。
2時間に一回、家中の空気を入れ替えます。
外は36度だけれど家の中を28度にしたいとなると、
8度の温度差のある空気が30坪程度の家でも
150m3くらい入ってきますから、
エアコンには一生懸命働いてもらわなければなりません。
次は潜熱側。これも最初は人。
空調の教科書などには人体発熱量として顕熱、潜熱それぞれどれだけ出ているか書かれています。
もちろん、人数で変わってきます。
次はやはり内部発熱。
内部発熱で潜熱というと、室内干しででる水蒸気。
お風呂や熱帯魚や金魚の水槽からも水蒸気が出ます。
最後に換気による潜熱負荷。
外が36度で湿度が50%あると、
空気1Kgあたり19グラム(絶対湿度)ほどの水が含まれています。
室内を28度で湿度を60%にしたいとなると
その時の絶対湿度は12グラム。
家の中から空気1Kgあたり7グラムの水を取り除かなければなりません。
2時間に1回の換気ですから、150m3くらいの空気が入ってきます。
上記の顕熱側の負荷と潜熱側の負荷を合計したものが、
冷房負荷となります。
計算は全てW(ワット)に変換して出します。
合計が5000wであれば5Kwと言うことですから、
2.5Kwのエアコンが2台必要と言うことになります。

外気が40度で60%の湿度の時はどうなんだ?

と聞かれても冷房負荷が計算できれば、

必要な冷房能力はこれだけですと答えられます。

冷暖房負荷は住まいの様々な要素によって異なります。
つまり、同じ家はありませんから、個別に計算する必要があります。
極端なことを言えば、全く同じ家でも家族の人数や
趣味、趣向が異なれば冷房負荷も異なってきます。

それと私の家は1種の全熱交換だから大丈夫かというと、そうとばかりは言えません。
​こちらの​さとるパパさんのブログ​で、
先日こんな計算をされてますから参考にしてみてください。
自動車の燃費やエアコンのCOPやAPFでもそうですが、
一般の使用状況とは異なった条件での数値。
これらの数字は信じて当てにしてすると落胆することが時にあります。(いつもかも)
車の燃費でしたらすぐに違いは判りますが、熱交換率やAPFは一般の方では
正しいかどうかの確認はほぼできません。
省エネ機器はあくまで省エネで、
必ずしも機能的に優れているとは限りません。

もちろん、G2だから、断熱性能等級7だから家中、くまなく涼しい、

隅々まで涼しいなんてことは、よう言いません。

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