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社長ブログケヤキの木の下で

2012年6月8日

優しいQ値の話

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
ここのところ、
ゼロエネ住宅の件で
Q値のことをたびたび話しましたが
最近ブログをお訪ねになった方には
Q値?
なにそれ?
ということで
簡単におさらいしてみます。
「次世代省エネ基準」と言うのがあって
平成11年3月に告示されました
簡単に言うと
「住宅に係るエネルギーの指針」のことです。
その中の一つにQ値があります。
これは
家全体から
1時間あたり
どれだけの熱が逃げていくかを表したもの
単位はW/m2K
ということは
逃げていく熱が多ければ多いほど寒い家
ストーブやエアコンでいくら暖めても
家から逃げていく熱が多ければ
すぐに寒くなってしまいます。
逃げていく熱が少なければ少ないほど
少しの暖房でも長い時間暖かさが持続します。
次世代省エネ基準では
この美濃地方のQ値は
2.7W/m2Kとなってます。
1時間に
床面積1m2当り
家の中と外の温度差が1度の時
逃げていく熱が2.7Wあることを示しています。
ということは
現実の家で計算すると
冬の外の温度が1度
家の中を20度にしたとすると
35坪の家なら
約115m2ですから
Q値2.7×115m2×(20-1)度=5899W
一時間にこれだけの熱が逃げていく家ということになります。
では5899Wの熱が逃げていくなら
家の中で5899Wの熱を常に出してあげれば
外は1度でも家の中は20度を維持できると言う事になります。
暖房器具(エアコン、灯油ファンヒーターetc)
仕様書を見ると
暖房能力が書いてあります。
例えば6畳用のエアコンであれば
暖房能力は2200(400~4000)Wと言うように。
20度を維持するのに5899W必要なのですから
5899÷2200で2.6台のエアコンがあれば
OKということになります。
これが簡単なQ値のお話しです。
Q値を見ればどれくらいの暖かさの家か
だいたい見当がつきそうですね。
ちなみにこのQ値
北海道では1.6
東北3県(秋田、岩手、青森)では1.9
その他の東北、新潟などは2.4
関東以西は2.7
ここからは現実のお話
机上の計算の話しではありません。
この結果だけを見ると
次世代省エネ基準をクリアしてれば
35坪の家で6畳用エアコン2~3台あれば
家中暖かと言う事になりますが
現実はそうではないことを
皆さんご存知だと思います。
Q値計算にはいくつかの問題があります。
計算に影響する項目は幾つもあるのですが
断熱材の施行精度の良し悪し
換気回数を一律0.5回で計算する事
温度差による換気を考慮してない事
風力による換気を考慮してない事
温度差や風力に関係しますが気密を考慮しないこと
台所の換気扇
水蒸気
などなど
これにどんな対策が取られて作られた家かで
実際のQ値は大きく変動します。
机上の計算と
実生活の中での必要暖房量がかなり違ってきますから
Q値計算ではこうなのに
実際は・・・
というケースは頻繁におこります。
普通に建てた家の場合
恐らくQ値計算した数字の
1.5~2倍程度が
実際の値ではないか
Q値2.7×115m2×(20-1)度×1.5倍は8849W
6畳用2200Wの能力のあるエアコンなら
家中暖めるのに4~5台
と言ったところでしょうか。
14畳用のエアコンは5000Wですから8849Wなら2台ですが
2台で足りるか疑問。
ということになると
実際の生活でどれだけ暖房エネルギーを使ったか?
が重要ですね。
さて、
紙太の家
大福町の家はQ値は1.7を切ってますから北海道基準に近い。
実際はどうなのか?
報告は来年ですが、
いろんな工夫がしてありますから
楽しみな家です。
それでは
皆さん、次回をお楽しみに。

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