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社長ブログケヤキの木の下で

2013年3月18日

土壁はGWの10分の一の断熱性

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
毎年、何件か土壁の家のリフォームをする機会があります。
土壁の場合、
どのように断熱性を確保するか毎回頭をひねります。
お客様の中には
土壁だから暖かいと誤解されてる方もみえますし
工務店の中にも昔ながらの土壁は暖かいと宣伝しているところもありますから
聞いているほうとしては混乱してしまいます。
断熱性だけを見れば
土壁の熱伝導率は0.69w/mK程度
グラスウールの1/10程度の断熱性しかありません。
つまり10センチの厚みの土壁=1センチのグラスウール
このことから土壁自体に断熱性能を期待するのは無理
でも、
上のお客様のように土壁の家は暖かいし夏は涼しいと言う人もいる。
これは断熱性とはまた違う土壁の持つ質量の違いによるもので
土壁は熱容量が大きいから。
断熱性は無いのに熱容量が大きいと暖かい?
簡単に言えば断熱性は無いが
熱しにくく冷めにくい
つまり
暖めるのに時間がかかるが
一度暖まると冷めにくい
逆に一度冷えると容易に暖まらない。
断熱気密が不十分な家で
コンクリートの壁なんぞがあると
壁から冷気でゾクゾクすることになる。
(コンクリート面を暖めれば暖かいが
 熱容量の大きなコンクリートを暖めるには
 かなりのエネルギーを使うことになる。)
人の体感気温は気温だけでなく
周りの壁や床、天井の表面温度からも影響を受けるので
このようなことになる。
土壁の魅力は
その大きな熱容量と調湿性能
断熱性は無いけれどそれを補って余りある魅力です。
ということは
断熱性は別に付けてあげればすむということになる。
土壁の魅力を生かして断熱性を付ける!
しかしこれが難しい。
土壁の断熱性を上げる場合
既存の土壁の外側に断熱材を入れ
土壁は室内側になるようにする。
そうしなければ
室内の調湿は確保できないし
断熱材の外側に土壁があっては熱容量も生かせない。
しかし断熱材を土壁の外側にいれただけでは
結露の問題が出てくる
(断熱材の中の結露です)
十分な断熱性を確保しようとすれば
断熱材を2重にいれその間に気密シートをいれるという
ことをしなければいけないが
気密シートを入れる位置を間違えたり
二重の断熱材の熱抵抗の計算を間違えると
やはり結露の問題が出てくる。
というようなことで
リフォームで土壁の魅力を生かす理論は分かっていても
その手間や予算的なことを考えると
二の足を踏む事になる。
土壁の熱容量や調湿性を生かしたリフォームを希望される方がいれば
紙太材木店までご連絡下さい。
新築では
ドイツの最新エコ建築事情をみると
土壁の性質を生かした家づくりが行われていますし
新住協の金子建築工業さんの所では
そのモデルハウスもあります。
土壁で断熱、気密といった性能も確保できる時代ですから
ご興味のある方は一度お訪ねになってみてはいかがでしょう。

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