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社長ブログケヤキの木の下で

2013年4月3日

古い家の文化的価値

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
こういう仕事をしていると
古い家、大正の初めや明治の初期に建てられた家の
改修のご相談を受けることが間々あります。
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美濃地方ではまだ古い家が多く残っていますから
できるだけ残していきたいものですが
現実には様々な理由から取り壊されるケースが大半です。
さて、アメリカは建国してから200年ちょっと
でも、古い家はとても大切にされています。
アメリカは引越し社会なので
中古住宅の流通も盛んでそこでは
その質も問われるというのが理由の一つかもしれません。
例えばアメリカの住宅の建築様式
コロニアルと呼ばれる様式だけでも
スパニッシュ、ダッチ、ニューイングランド、アーリーサザンなどがありますし
ジョージアン様式も3種ほど
それ以外の様式も合わせれば優に20以上の様式があります。
それらの様式の特徴が明確で人が住むことができれば
その住宅は高い評価を得ることができます。
アメリカは多くの国からの移民で成り立っていますから
それぞれの出身の国の特徴が住宅にも表れるわけで
住宅の建築様式の外観だけでもいろんな種類があり見てるだけで楽しむことができます。
これらのことからアメリカでは
古い住宅の価値というものは
人が住むことができれば
建築様式という文化的価値に基づいて判断されていることになります。
つまりそのことを尊重する人たちが数多くいることを意味しています。
さて、日本は古い国ですから
地域によってそれほど住宅様式の違いはありませんし
アメリカほど中古住宅は流通しているわけではありません。
しかし古い建物の文化的価値というものは
その地域にとってみれば同じようにあるわけで
それを尊重するかどうかは私たち一人ひとりにかかってきます。
ある意味古い家の所有者は
地域の人たちを代表してその家を仮に管理しているにすぎないのかもしれません。
そう考えれば、次の世代に引き継ぐまでの管理人ですから
あだやおろそかに取り壊してしまうわけにはいかないという気持ちがでてきます。
古い建物に住む人はともすれば自己の考えから建物を見ますが
その地域に昔から住む人たちは
その古い建物に親しみや畏敬といったものに似た気持ちを持っていることが
少なくありません。
アメリカとは事情が違いますが
古い家をお持ちの方は
いろんな事情があると思いますが、
どうかその家を大事にしていただきたいと思います。
今できることを、できる範囲で十分です。
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