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社長ブログケヤキの木の下で

2014年6月9日

水蒸気よ、いずこへ!

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
前回の補足説明
水蒸気の移動について
簡単に言えば
水蒸気は沢山あるところから少ししかないところに移動します。
熱が高いところから低いところに移動するように
水が高いところから低いところに移動するように。
酸素も水素も窒素も水蒸気も
空気中にあるそれらの分子は
密なところから粗なところに拡散します。
蒸気分圧の高いところから低い所へ
さて
空気中に存在する水蒸気の量は
その空気の温度によってずいぶん違います。
暖かい空気には沢山
冷たい空気には少ししかいることができません。

家の中は外より暖かです。
中にいる人からは常に水蒸気が出ています。
料理をしても水蒸気は出ます。
お風呂に入っても
灯油のストーブを焚いても
生活していることで家の中には外より多くの水蒸気が存在します。
ちょっと待って
TVでは今日の気温と湿度
気温5度で相対湿度70%って言ってる。
でも
私の家の中では気温は20度で
湿度は40%
うちの中の方が湿度が低いじゃない!
そう家の中は
相対湿度としては低いのですが
絶対湿度では高いんです。
??・・
相対湿度と絶対湿度
違いは%とg
市販の温湿計や天気予報でいうのは%の相対湿度
水蒸気の移動で問題になるのが絶対湿度
これは空気1kgに含まれる水蒸気の量
だからgで表される。
5度で70%の空気には0.5gほど
20度で40%の空気には6gの水蒸気が存在する。
詳しくはこちら空気線図を参考にしてください。
つまり20度の室内の方に沢山の水蒸気が存在するわけです。
だから最初にお話したように
たくさんある方(室内)から少ない方(室外)へ
水蒸気は常に外に向かって移動しようとします。
セルローズに吸収されてる水蒸気も同じように外に向かって移動です。
残念ながら室内に向かって移動することはありません。
夏はこれと逆のことがおこります。
エアコンで除湿された室内の空気の絶対湿度は
外気の絶対湿度より低くなります。
ですからセルロースに含まれた水蒸気は外ではなく
室内に向かって移動します。
セルローズの水蒸気が室内に移動すると
セルローズの中の水蒸気が減りますから
外部のたっぷりと湿気を持った空気から
そのセルローズに水蒸気が補給されます。
そしてその水蒸気は室内に移動する。
それの繰り返しです。
幻想1
夏 
室内の蒸し暑い空気の水蒸気を
吸放出性のあるセルロースが吸ってくれて
快適な室内環境ができる
真逆です。
常に室内に向けて水蒸気を送り込みます。
幻想2

室内の乾燥した空気に
吸放出性のあるセルローズが水蒸気を出してくれて
快適な室内環境ができる
真逆です。
常に室外に向けて水蒸気を排出します。
このようにならないために
vapor barrierがあります。
気密シートのことです、
念のため。
気密シートに対する
日本の建築業界の常識、
一般消費者の常識がくつがえる日は必ず来ます、
いつかそう遠くないうちに。
これほど情報の伝達や検索がはやっくなった時代に
いつまでも知らなかったなんてことは有り得ません。
恐らく消費者の方が早く気づくでしょう
業界はその後追いです。

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